「PTSDの症状を激くし過ぎた感」マン・ダウン 戦士の約束 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)
PTSDの症状を激くし過ぎた感
幼い息子と妻に恵まれた海兵隊が、妻の反対を押し切って戦場に派遣され、戦場の悲惨な体験を引きずって国に帰還してみると家庭は壊れ、親友にも裏切られていた事を知り、人格が崩壊してしまい悲劇的な展開になるのだが、主人ののPTSDの症状がちょっと現実味に欠け、せっかくいいテーマを扱っているのに、奇をてらった感が出てしまい、本来伝えたかったであろう、戦場からの帰還兵の問題の焦点がぼやけたのではないか?そこは『アメリカン・スナイパー』と対照的。『アメリカン・スナイパー』はPTSDのところはかなりあっさり描いてあって、あったのか無かったのか分からないくらいだったけど。
しかし、三つの時間軸が並行して進んでいくミステリアスな展開は良かった。結構頭を整理しながら観ることを余儀なくされますが、観る者の頭を混乱させようという意図はなかなか心憎かった。
でも自分だったら戦場の出来事より、帰還してからの家庭内の出来事の方がショック大きいだろうな。そのまま家を飛び出してヤケになってホームレスにでもなるかもしれない。
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