I AM YOUR FATHER アイ・アム・ユア・ファーザーのレビュー・感想・評価
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ベイダー役者の名誉回復ドキュメント
スターウォーズが好きな人でも、どうか?というドキュメンタリー映画です。
「ピープルvsジョージ・ルーカス」が好きな人なら見ておいて損はないかも。
そもそも、スターウォーズが公開されたときに、ベイダーのスーツアクターのデヴィッド・プラウズはベイダーの声に、ジェームズ・アール・ジョーンズが採用されたことに腹を立て、そこからジョージ・ルーカスとの確執が始まったようです。
「ベイダーの中の人」として、ファンイベントに招かれた時にぽろっと「ベイダーはルークの父親」とネタバレをしてしまい、ルーカスは激怒。
EP6「ジェダイの帰還」において、ベイダーがマスクを外すシーンでは、セバスチャン・ショウが起用され、彼がスターウォーズに出演している事がまるで無かったことのようにされていることにプラウズはまたもご立腹。
この映画は、「彼の名誉回復のため、ベイダーがマスクを外すシーンをデビッド・プラウズに演じてもらい、それを上映すること」を目的に、撮られた濃いファン向けの作品です。
実はリチャード・ドナー版「スーパーマン」にも、彼が深く関わっていることや、ベイダー役をオファーされた時のいきさつなど、いくつか「へえー」という証言もありますが、ルーカスフィルムからは非認可扱いを受け、残念ながら、肝心のシーンはシルエットのみしか見ることが出来ません。
2020.9.4
スター・ウォーズの影
「SW」の熱いファンであるマルコス・カボタ監督らが、ダースベーダーの中の人、デビッド・プラウズや、当時のキャスト・スタッフのインタビューを通して、デビッド・プラウズの冤罪を晴らし彼の念願を叶えるというドキュメンタリー映画。
ルーカスフィルム側の取材拒否もあり、欠席裁判的な感じに見えるし、内容的にもルーカス側が悪役っぽく見えちゃうけど、取材を通してプラウズの冤罪を晴らし、彼の念願を叶えるという展開は胸熱だった。
出来れば、制作したフィルムも観たかった。
ある意味でダース・ベイダーの中の人のサーガ
スター・ウォーズファンとして、このドキュメンタリーフィルムを製作した監督の勇気と熱意、そしてダース・ベイダーへの愛を心から称賛する。
ダース・ベイダーのファンなら必見。
ファンのみならずとも興味深い。あまりにも有名な作品の、あまりにも無名な真相。
【賛否両論チェック】
賛:ダース・ベイダー誕生や、俳優デヴィット・プラウズの人となり、そして交代劇の真相等々、当時にまつわる様々な裏話が語られ、ファンでなくとも興味を惹かれる。
否:ドキュメンタリーなので、展開はかなり淡々としている。主張も一方から見た印象が強い。
数々のモンスター役をこなし、その中でも存在感を発揮してきたというデヴィット・プラウズ。唯一裸の部分である“瞳”を使った迫真の演技をしていたという彼が、どういった経緯でダース・ベイダーになったのか。そして何故、最後の最後で製作側との関係がこじれてしまったのか。そういった製作時の舞台裏が赤裸々に語られ、興味をそそられます。
他にも、あの有名なセリフ、
「I am your father.」
にまつわる興味深いエピソード等々、スター・ウォーズのファンでなくとも思わず驚かされる話が、関係者から語られるのが印象的です。
ドキュメンタリーなので、展開は退屈かも知れませんが、気になった方は是非。
マスクの下のダース・ベイダー
「スター・ウォーズ」シリーズでダース・ベイダーを演じた俳優デヴィッド・プラウズに迫ったドキュメンタリー。
…しかしながら本作、ルーカスフィルムとは一切関与ナシ。R2役の故ケニー・ベイカーやプロデューサーらスタッフ何人かのインタビューはあるものの、SWの映像も音楽も一切使用されず、ルーカス本人のインタビューもナシ。
何故なら本作、SWの栄光を語ると言うより、暴露話。今「ローグ・ワン」が盛り上がっているが、本作を見たらSWの闇の部分が垣間見える故、ファンは見ない方がいいかもしれない…が、野次馬的興味は尽きない。
まず、デヴィッド・プラウズについて。
身長2mを超える巨体を活かして、ハマーフィルムのホラー映画で怪物役を好演。
素顔の役は稀で、「時計じかけのオレンジ」で車椅子の老人の怪しいボディガードと言ったら分かる人も居る筈。
そして映画史上屈指のキャラクター、ダース・ベイダー役に抜擢されるのだが…
ダース・ベイダーと言ったら真っ先に誰を思い浮かべるか。
勿論デヴィッド・プラウズを挙げるファンも多い。が、
自分もそう。ジェームズ・アール・ジョーンズ。「ローグ・ワン」でもその声にしびれた。
マスクの下の人物については、何かの裏話で、ルーカスが頭を抱えるほど殺陣が下手だったぐらいにしか知らない。
しかしながら、ファンの脳裏にダース・ベイダーのインパクトを焼き付けた立役者ながら、声も顔も奪われた事実はあまりにも不憫…。
「新たなる希望」でベイダーの声も自らやる事を望んだものの、訛りが酷いとの理由で却下。仕方ないか…。
「帝国の逆襲」で、本作のタイトルにもなっている台詞を差し替えられた事は有名。
まあこれは、大どんでん返しの秘密を守る為でもあり、デヴィッド・プラウズだけじゃなく多くのスタッフにも知らされていなかったのであれこれ言う問題でもないが、「ジェダイの帰還」は酷い。
ずっとベイダーを演じ、遂にラストで素顔を見せる時が来たのに…、これも有名な話で、ベイダーの素顔は別の俳優(セバスチャン・ショウ)が演じる事になった。
デヴィッド・プラウズへの功績も信頼も、全て抹消されたと言っても過言じゃない。
しかも現在では、「ジェダイの帰還」でベイダーの素顔はヘイデン・クリステンセンになっているという皮肉。
作り手にとって日陰のキャストの存在って…。
デヴィッド・プラウズにも否が無い訳ではない。結構口を滑らす人なんだとか。
「帝国の逆襲」でベイダーとルークの父子関係について語った記事が残っていた。
しかしこれは、「帝国の逆襲」脚本執筆前のデヴィッド・プラウズの単なる憶測が偶然にも一致しただけらしいが、これから脚本を書こうとしてるルーカスはどう思ったか。
「ジェダイの帰還」でベイダーが死ぬ運命にある事をリーク。
しかしこれは、濡れ衣。
事実無根なのに、今ではルーカスフィルムとの関わりは全くのゼロで、公式イベントにも呼ばれない。
ダース・ベイダー役で多くのファンに愛されながら、ダース・ベイダーに翻弄され…。
本作のラスト、彼の為にあるシーンの再撮を敢行。
ルーカスフィルムから訴訟を起こされそうなレベルなので、そのシーンを見る事は本作でも出来ないが、ファンが本当に見たかった真の顔。
「ローグ・ワン」で再びスクリーンに蘇り、圧倒的なカッコよさを見せつけてくれたダース・ベイダー。
劇中で描かれるその境遇は波乱に満ちているが、演じた人物もまた然り。
素顔に触れて忘れられないだろう。
マスクの下のダース・ベイダーを。
エンディングで、特殊メイクやマスクに素顔を隠した名優たちを紹介。
出来れば、中島春雄氏も紹介して欲しかった!
昨年の東京国際映画祭にてプレミア上映、WOWOWで先行放映。
1月7日より公開。
非公式ドキュメント
ルーカス非公認映画。ダース・ベイダーを演じたデビッド・プラウズのドキュメンタリー。しかし、殺陣、声、呼吸音(笑)、そして素顔まで、それぞれ別人でした。特に表題の名セリフや素顔については、本人に知らせず撮影が行われ、ルーカス側にわだかまりの残すことに。
プラウズ本人が驚いた、「I AM YOUR FATHER」。公開後息子のあだ名が、ルークになったというのは笑えます。
現在のプラウズの演技で、非公式にダース・ベイダーの最後を撮影。それは観てみたい。
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