「~「愚かだねぇ、人間は。」~」不能犯 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
~「愚かだねぇ、人間は。」~
【賛否両論チェック】
賛:人を死に追いやる能力を持つ男を通して、人間が持つ心の脆さや醜さが浮き彫りになっていく様子が、あさましくも切ない。
否:かなりグロいシーンが多いほか、まるでホラー映画のような描写もあるので、苦手な人には絶対に向かない。
片や、「他人をマインドコントロールで死に追いやる」という力を持ち、その能力を遺憾なく発揮して殺人を繰り返していく謎の男・宇相吹。片や、「人間の命を弄ぶのを許さない」と、宇相吹逮捕に執念を燃やす刑事・多田。2人の緊迫感溢れる戦いの行方から、目が離せません。
そして一見「相手に死んでほしい」という願いが叶ったように見える依頼人達も、裏切りや誤解によってやがてその身を滅ぼしていく姿が、まさに「人を呪わば穴二つ」を地で行くような印象で、哀しいというか憐れさをも感じさせます。
GLIM SPANKYの主題歌「愚か者たち」も、作品の雰囲気に見事にマッチしていて、世界観を際立たせています。宇相吹の
「愚かだねぇ、人間は。」
というセリフが、よりダイレクトに伝わってきます。
ただ描写はかなりグロくて、ホラー映画かと思うような怖いシーンもいくつかあったりしますので、苦手な人は観られないと思います。スリリングで奇怪なサスペンスを、是非劇場でご覧下さい。
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