「ふ〜ん」トッド・ソロンズの子犬物語 yanakoさんの映画レビュー(感想・評価)
ふ〜ん
エレン・バースティンの名前が懐かしくて見に行きました。
お話は子犬が繋ぐ物語っていうことでしたが、本当に子犬は狂言回し、ストーリーに絡んでいたのは最初の子供の話だけでしたね。
この監督はそんなに犬は好きじゃないとみた。
クスクスっとするところは随所にありますが、基本的に世の中甘くないっていうスタンスで、作り物にありがちな救い的なものは拒否してるんでしょうね。
だから見終わった後の感じが決してよくないのです。
仮に容赦ない結末でも、自分の人生に食い込んで来て、後まで考えさせられたりっていうっこみもない。
と言って金返せっていうものでもないです。
映画をなんで見に行くのかということを考えさせられましたね。自分は映画に何を求めているのだろうかと。
エレン・バースティンにお会いできたのはよかった。
彼女が70年代にギリシャ悲劇の現代版みたいな多分ギリシャ映画に出ていたのを見て、あまりに強烈で気になる俳優になってました。
エクソシストに出ていたことが後からわかり、ホラーは絶対見られないのに、意を決して見に行った。そのおかげでエクソシストは単なるホラー映画ではなかったことがわかったんですね。観客を驚かすことを目的に全くしてなかった。というのは悪魔に取り憑かれた女の子は突然画面に現われたりしないんです。必ず階段を上がってドアを開ける。だから私はドアを開けるとかならず目をつぶっていたので怖いシーンは見なくて済んだ。その時、本当にオカルティズムを題材にした映画なんだとわかりました。
でも、エレン・バースティンの記憶はあまり残らなくて、その後彼女を見ることもなかった。それからもう35年は経ってると思いますから、彼女も随分年をとりました。
ずっとサングラスのままかと思ったけれど、メガネ外した時の目の表情がなんとも言えず深かった。エクソシストの時もお母さんの不安と愛情を目で語っていたことが思い出されました。