「名犬と少年と父と山火事と」ベル&セバスチャン 新たな旅立ち 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
名犬と少年と父と山火事と
アルプスの雄大な自然を舞台に、名犬ベルと少年セバスチャンの交流。
続編が作られるとは…。しかし日本未公開。
1945年。戦争が終わり、夏。
レジスタンス活動をしていた姪のアンジェリーナの帰りを心待ちにしているセバスチャンと祖父セザール。
ところが一向に帰って来ず、知らされたのは、アンジェリーナが乗った飛行機の墜落。その周囲は山火事に。
生存は絶望的。が、生存を信じ、小型機で救出依頼。
その小型機のパイロット、ピエールは…。
セバスチャンとベルも小型機にこっそり乗り込み…。
前作は主に大自然の美しさと、一匹と一人の交流がメインの“世界名作劇場”なハートフルとファミリー向け。
“野獣”と怖れられていたベルへの偏見の変化、ナチスの魔の手などのドラマチックさもプラス。
今回は救出と山火事の冒険とアクション要素が出されている。
これはこれでハラハラドキドキだが、もう一つの魅力である大自然美がちと損なわれたのが残念。夏のアルプスの美しさも見たかった。
今回のメイン軸は、親子。
パイロットのピエールは、セバスチャンの実父。
が、身籠っていたセバスチャンの母を雪山に置き去りにし、産まれた子(セバスチャン)を他人に託し、セザールは許せない。
最初は関係を知らなかったセバスチャンとピエール。が、ペンダントをきっかけに…。
知った事で確執は薄まらず。いや、余計に。
ピエールは墜落現場から引き返そうとし、セバスチャンは反抗。
母もアンジェリーナも見捨てるのか…?
が、危機的状況の中…。
徐々に確執が薄まり、歩み寄っていく不器用な父子の姿は、分かっていても感動的。
ツッコミ所や強引な点もあり。
最後はアンジェリーナを救出し、再会。
名犬ベルの活躍と可愛さも勿論。でも、魅力映えしたのは前作の方かな…。
前作にちょい新たな要素を加味し、正直前作の方がストレートで好みだが、予定調和であるものの安心安定の“世界名作劇場”ワールド、前作好きなら楽しめる。
何と本国では第3弾も作られ、ベルは母犬に…!
日本での情報はナシ。
まあいつぞや、見れる機会があったら…。