「ひとりの人間として振るう最後の爪」LOGAN ローガン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ひとりの人間として振るう最後の爪
ウルヴァリン・シリーズ第3作。
"X-MEN"シリーズ通算第10作。
レンタルDVDで鑑賞(吹替)。
原作コミックは未読。
ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン役引退作。発表された時はかなりショックで、彼の勇姿がもう観られないと思うとめちゃくちゃ寂しくなった。しかし、本作のような素晴らしい最後の花道を用意してくれたとあっては、涙を拭い笑顔で送り出してあげるだけだと思いながら鑑賞した。
悪の組織に狙われるミュータントの子供たちの未来を守るため、衰え始めた体に鞭打ち戦うローガン/ウルヴァリン。
ヒーローの「ウルヴァリン」としてではなく、ひとりの人間「ローガン」として過酷な戦いに挑む姿に心奪われた。
R指定作品なだけに生々しいバイオレンスがこれでもかと炸裂。アクション・シーンも過激描写のオンパレードである。
ウルヴァリン対ウルヴァリン(クローン)と云う夢の対決が実現し、爪を突き立て合う激しい死闘に息を呑んだ。
ローガンとローラの疑似的な親子関係やチャールズとの長年の関係が迎える到達点など、人間ドラマが情感たっぷりに描かれており、凄絶な物語の中に温かな光の射す瞬間があった。
傷つきながら大切なものを守るために彼が起こした行動に感動した。物語は悲しい結末を迎えてしまったが、ローガンが命を懸けて守った想いは、しっかり次世代へ受け継がれた。
だが、ミュータントの子供たちの未来にはまだまだ困難なことが待ち受けていそうな予感がする。その先には、微かでもいいから、希望が残されていてくれと願わずにはいられない。
[以降の鑑賞記録]
2019/01/16:Blu-ray(字幕)
2024/08/14:Blu-ray(吹替)
※修正(2024/08/14)