「ウルヴァリン❌ウルヴァリン」LOGAN ローガン akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
ウルヴァリン❌ウルヴァリン
実写版第10作だという。三部作✖️3+デッドプールで合計10作だということか。本作で語られることは、シンプルなストーリーだ。
2029年の近未来。天才チャールズは、90歳。不死身の筈のローガンも治癒能力を失いかけている。宇宙規模のパラレルワールドを肯定するX-MENシリーズにおいて、低予算ロードムービーを彷彿させる作り。しかし、日光にあたると死んでしまうか弱いミュータントや、機械の腕をもつ人間の傭兵、馬を育て農場に暮らす黒人一家との幸せなひとときなど内容は盛りだくさんだ。
この時代、ミュータント研究は極秘かつ大胆不敵に続けられているものの、新生ミュータントたちにとっては幸せな世界ではない。人口受精による誕生と、殺戮兵器として生育されるというとんでもなく酷い環境。そして何故か方針が変わったために全員抹殺されかけるというサブストーリーが携帯画面から伝えられる。この、研究施設による殺戮から逃れてきた子供達が意外に悪くない。彼らは殺人兵器ではあるが、人間なのだ。
そして、旅の終焉はウルヴァリンの最期。森のはずれで自己の分身と二度目の闘い。ターミネーターシリーズでもあったような場面だが、あまり長くはなくとてもよくできたシーンだった。
死期を迎えた老齢のチャールズと、謎の美少女ローラと治癒能力の衰えはじめたウルヴァリンの逃避行。ローラにとっては、初めての家族旅行であり、チャールズとローガンにとっては、最後の旅。
メキシコ国境からカナダ国境へと北上するアメリカ縦断の車の旅。
シリーズを最初からちゃんと見直したくなる作品になっていると思う。
車両荒らし、コンビニ強盗、カジノでの無銭宿泊、少女が人間の首をほおり投げる場面、眠っている老人の胸を突き刺す爪。遺伝子操作、ドローンによる監視、軍人出身の傭兵たち。病んでいるアメリカのオンパレード。
しかし、新生ミュータントたちの今後もかなり気になるところだ。