「ヒーローではない一人の男の物語」LOGAN ローガン しろさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーローではない一人の男の物語
更に言うなら一人のミュータントの物語が幕を閉じた。
ヒーローになろうとしたわけでもなく自身をヒーローと思ったこともなく、それでも最終的にどうしようもなくヒーローなのがローガン、ウルヴァリンという男なのだなと思いました。
今までのシリーズ見てるともうとにかく辛い。
他のミュータントたちについても出てくるミュータントたちにしてもとにかく辛い。
ミュータントと一部の人間たちによって築かれてきたであろう絆。
でもそれはやはり一部の人間たちによって砕かれてしまう。
うん、まぁそういう物語ですよねX-MENて。
お話はそれなりにまとまってめでたしに見せかけてもミュータント全体についてはたいして前進してないというか一歩進んで二歩下がるというか。
チャールズが夢見たもの、ローガンが最後に手に入れたもの。
そして子どもたちに繋いでいく未来。
ミュータントも人間も関係なくただこの子を愛してると泣いた彼女が私は一番心に響きました。
この映画は本当にヒューのローガンへの花道としての意味合いが強いと思うのでZEROから始まった彼の人生が終結するのがこれかー!と思いつつもいやだからこそローガンなんだなと。
ヒューだからこそのローガン、ウルヴァリンというものにただ敬意を払うのみです。
そしてこちらも最後のサー・パトリックのチャールズ。
今までのチャールズから考えるとショックな姿ではありますが『プロフェッサーX』が象徴している正義、そして信じる心はそのまま。
でも埋葬シーンとかちょっと適当じゃない?
掘ってポイして土かけないのかよ!
監督の描きたいものが明確だったので細かいところは想像しといて!てな部分がちょいちょいあったけども間延びするよりはいいのかな。
ローラの子の眼力やばいし暴れっぷりもやばい。
何をどうしていいかわからなくてとりあえず敵は殺す!て感じでいっそ清々しい。
あえて彼女の声を予告等でも出さず、話をさせないでおいたのは監督の作戦勝ちでしたね。
興味を持ったものへの対応とかがまるで子猫みたいで可愛かったです。
正直重すぎてもう一回観ようとは思えません…ですがヒーロー映画はこうでなくちゃ!もいいけど形に縛られることなく様々な形の作品があっていいと、私は思いました。