「生命力」LOGAN ローガン ゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
生命力
くたびれ、枯れ果てた元ヒーローの重い足取りが描かれる一方、
子役であるローラは愛らしくしなやかで、戦う姿は獰猛なイタチのよう。
彼女はあの世界の次世代のウルヴァリンになるのかもしれません。
ローラは心の強さと優しさを既に持っているヒロイックな少女でした。
一方のローガンはもう強いとはいえない。
もちろん戦えばまだ強いけれど、精神は純粋な強さを失い、肉体は疲弊している。
厄介事に首を突っ込んでまで人を助ける元気も無い。
それでも愛した人達まで見捨てる事は決してしない。
疲れ果て今にも倒れそうな立ち姿になっていても、残っている物は確かにあった。
全体を通してとても楽しめたのですが、終盤でどうしても引っかかる展開がありました。
敵組織が、既に処分を決めているはずの逃げた子供たちを生け捕りにしようとして結構な犠牲を出してしまう場面が甘すぎる。
これ、終盤以外は気にならなかったんです。
それまでもローラを殺さず生け捕りにしようとしていましたが、他の場面に負けず劣らずバイオレンスで、説得力のあるアクションシーンが展開されていましたし、ローラの能力を考えても殺害より捕獲が妥当でしょうし、ローラは他の子供たちの情報も持っていました。
利敵行為が見えなくもない敵の現場司令官が裏で人道的に動いていたと考えれば説明できそうですが、これだと子供たちにクズ野郎と憎まれ殺された事が哀れすぎる気もします。
R指定でも、子供が人を殺す姿は描けても子供が殺される姿にはストップ掛かったんじゃないかなどと邪推するのですが、如何に。
他のシーンがR指定映画だけあるハードな展開目白押しだった為に、どうしてもひっかかってしまったシーンでした。