劇場公開日 2017年6月1日

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「突きつけられる現実」LOGAN ローガン nadaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0突きつけられる現実

2017年6月3日
Androidアプリから投稿

アダマンチウムの毒素と加齢によりボロボロになった老ウルヴァリン=ローガン。
抑止薬と老衰により痴呆も入っているプロフェッサーX=チャールズ・エグゼビア。
かつてあんなに活躍していたヒーロー達のこんな姿を見るのは、身につまされる感じで、正直見たくなかったです。

でも、「終わり」に向かってるからこそ、残された命を燃やす姿には胸を打たれるのも事実。
何よりロードムービーという「人生を描く」タイプのスタイルとの親和性が高く、彼らの生き様をひしひしと感じられました。

ヒーローも老いる。ミュータントが絶滅に向かっている。X-MENという存在がコミックになっている。過去作と違い爪で切られると血や肉がとびちる。アメコミ世界でありながら現実を突きつける(ある種メタ的な)この作りこそ、今作の最大の特徴であり、今までに類を見ないアメコミ映画であると言えるでしょう。

今作でヒュー・ジャックマンもピータースチュワートも、代表的なキャラを手放すとのこと。これもまた一つの現実。長年にわたるヒーロー役、お疲れ様でした。

nada