JACOのレビュー・感想・評価
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没後30年経つ今も至高のベーシスト、その魅力を伝える
音楽好きでジャコの演奏を聴いたことがある人なら、その創造性とセンス、超絶テクニックに感嘆するし、コンサートや映像を観た人なら身体から発散される独特のグルーヴ感や派手なパフォーマンスに圧倒される。本作はそうした要素も当然押さえているが、それ以上に彼の「人間力」とも言うべき魅力を伝えている。
幼い頃からのホームムービーが充実していて、大勢の家族との幸福な日々や、音楽家として頭角を現す過程が映像で追えるのはありがたい。たとえばハーモニクスを駆使した名曲『トレーシーの肖像』を知っていても、ジャコの妻だったトレーシーその人を映像で見ると、彼の創作の秘密に一歩近づいたような感慨を覚える。
ジャズ・フュージョン系のファンならぜひ観てほしいが、それ以外の音楽が好きな人にも、きっとジャコの魅力は伝わるはず。彼が死なずに心身の健康を保ち素晴らしい音楽を生み出し続けてくれたら、と惜しまれてならない。
ジャコファンのための映像?
ジャコは本当に革命児であり天才であった。当時のフィルム等を使い一編の作品とまとめた本映画は、ジャコの魅力を伝えることができる素晴らしいものと思う。
本当に個人的な話になるが、76年にメジャーデビューしたジャコ。その1年後には既にその凄さを理解してコピーしようとしていた高校生1年生の友人がいた。ジャコも凄いが、それを理解できた高校生である彼もまた凄い。その彼は今何をしているのか....。
観る人を限定する作品
ジャコが好きな人は勿論ですが、エレクトリック・ベースの演奏経験のある人、ウェザーリポートやリターン・トウ・フォーエバーなど70年代フージョンが好きな人に取ってお薦め出来る作品です。逆に全くそれらに興味のない人には、今作は全く関係ないかと。フレットレスベースを開発(?)したジャコの超絶的なプレイが、レッチリやメタリカのベースの人(名前は知りません)、そしてスティングにまで影響を与えていたのですね。
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