世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方のレビュー・感想・評価
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良い子は真似をしないように・・
ちびっこギャングたちの奇想天外ないたずら鑑賞映画、技術立国ドイツだから珍発明のオンパレード、下手なSF映画よりウィットに富んでいます。
一見、幼稚園児たちに高所に登らせたり乗り物を運転させたりとヒヤヒヤものですが当然安全措置は講じられているのでしょう、日本だったら「良い子はまねをしませんように・・」とテロップの出るところです。
CM戦略にのせられてアメリカ製のジャンクフードを食べさせられたり、年寄を老人ホームに閉じ込めたりペットを制約したりといった分かり易い事例にちびっこたちが反旗を掲げるプロットですがコンセプトは普通じゃつまらない、特別な何か、個性が大事ということでしょう。
ただ、なんでも機械仕掛けで自動化するのを良しとしているようにも映りますね、でもちょっと考えればあまり意味のないことと分かるので、それらもある種風刺ネタなのでしょう。給水塔に薬物を入れるのはテロの常套手段、目的の為なら手段は択ばないゲルマンの血の怖さも感じます。
だいたい子供映画と言えば子役や動物たちの可愛い仕草に頼ってほのぼのとした作りが多い中、こんなぶっとんだ子供映画を創ってしまう脚本・製作・監督のファイト・ヘルマーさんの発想にやられました、脱帽です、ただ「消防車、トラクター、クレーン、ごみトラック、セメントミキサー、機関車を出してね」というのは彼の4歳の息子さんの強いリクエストだったようです。
子どもたちの目から見た、ヘンテコな大人の社会
あぁ!なんて可愛らしい!!もうその一言に尽きる。出てくる子供たちが全員一様に可愛らしくてたまらない!そんな彼らが歌って踊って走って笑って燥ぎまくるミュージカル。「大人」が壊してしまった「子どもと老人だけの完璧なメルヘン」の世界を取り戻すため、幼稚園児たちが奮闘する姿が描かれるけど、だからって別に社会風刺もアイロニーも問題提起も別段なくって、ただただ大人の作った社会を気持ちがいいほど爽快にぶち壊していく子どもたちがそこにいる。まるで「世界」という名のおもちゃ箱の中で子どもたちが文字通り、走り周り、遊び跳ねているだけの映画なのだ。そしてそれで良いのだと思う。話とかはもはやどうでもいい。この世の映画すべてが「作り話」なのを分かった上で、とても楽しい「ホラ話」を見せてくれた、という感じ。
きっと出演していた子役たちにとって、この映画撮影がきっと楽しかっただろうなぁと思いながら見ていた。だって普通なら体験できないようなことを次々にできるんだもの。彼らの本当に楽しそうでみんないい笑顔をしている。のびのび走ってのびのび遊んでいる。そういうのを見るだけで、ちょっと私は癒されましたよ。まったく。
本当は大甘に甘くして☆4つにしょうと思ったのですが、やっぱり冷静にここは☆3.5で。でもなかなか満足の☆3.5でした。
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