残されし大地のレビュー・感想・評価
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静かに迫る人の生き様
初監督作品にして遺作となったジル・ローランさんの作品は、第一原発近くの福島を舞台にしたドキュメンタリー。
帰還困難区域に指定されたその地にたった一人で残り、置き去りにされたペットや家畜の世話を始め、今も続けている松村さん。
パンフレットにもありましたが、このような事態が起こらなければ表面化しなかったであろう松村さんの個性が力強く、でも静かに映画を引っ張ります。
サウンド・エンジニアでもあったローランさんの作品らしい、あらゆるシーンでとにかく音が印象的で、
シャッターの揺れる音、風の音、風に乗る音の割れた放送の声、口笛の響き。
それぞれの場面で普段は色んな音が混在していて、その強弱をつける事でハイライトされるものがあるとか、初めて意識しました。
そしてパンフレットも、まるで雑誌のようにとにかく読み応えあるので、オススメです。
DVDとかamazonビデオとかで、もっと広く見られたら良いのにな。
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事実の迫力に圧倒される
とり残されたペットの犬・猫のための避難区域に残って生活する人、避難解除後に戻る為に生活準備を始める人、戻れない理由を話す人・・・一人一人が現実と静かに闘っている。その重さに打ちのめされそう。
それらのことが、ナレーション無しで映画は進んで行く。ナレーション有りでは味わえない、迫力を感じる。一人一人の言葉の重さを、より際立たせている。
テレビのドキュメント番組でのナレーションが、感情誘導型でいかにつまらない(あるいは無駄な)ものかを痛感した。
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