劇場公開日 2017年9月23日

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「【”友だちが居なかった主人公の小学4年の少女の初めての友情への期待と戸惑い、そして落胆と関係性の修復を望む気持ち。今作は、彼女とその初めての友及び苛めっ子の心の機微を繊細に描いた作品である。】」わたしたち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”友だちが居なかった主人公の小学4年の少女の初めての友情への期待と戸惑い、そして落胆と関係性の修復を望む気持ち。今作は、彼女とその初めての友及び苛めっ子の心の機微を繊細に描いた作品である。】

2023年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー イキナリで恐縮であるが、私は小学校4-6年の間及び中学生時代、学級委員長や生徒会の役員をやらされて居た。
  今でも覚えているのだが、一番憂鬱だったのは週に一回ある学級会であった。
  学級委員長は男子と女子と2名いるのだが、学級会のテーマはほぼ女の子同士の諍いの解決を検討する場であった。
  女子の学級委員長は”派閥”に属しているので、特に発言せず、最後は大袈裟ではなく女子の派閥同士の、言い争いから最後は涙の攻撃になるのであった。
  私は困惑し、先生の方を見ても、シランプリであった。
  で、男子生徒は唯々、女子生徒達の言い争いを傍観しているだけであった。
  故に、今作を映画館で初めて観た際に、当時の記憶が強烈に蘇ったモノである。
  女性の方が、男性よりも人間としての成熟度のスピードが違うのである。
  で、最近思う事。
  【それは終生、変わらないんじゃないの!】

■小学校に通う10歳の少女・ソンはいつも独りぼっち。
 終業式の日、1人教室に残っていたソンは転校生のジアと出会い、友情を築いてゆく。
 だが、ジアは新学期になると、ソンを仲間外れにするボラと親しくなり、ソンに冷たく当たるようになる。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ソンを演じた少女を含め、ジアや苛めっ子のボラを演じた少女の心の機微が現れた表情の絶妙な変化が凄い。
ー 韓国映画の凄さを再認識する。邦画ではこの作品の様なテーマは高校生からだと思うのだが・・。-

・ジアが最初はソンと仲良くし、初めての友人が出来たと思ったソンの嬉し気な表情と、新学期が始まってからジアがボラに近づき、自分を毛嫌いする姿に落胆する表情。
ー そこには、経済的格差も描かれている。-

■ソンの弟、ユンが乱暴な友人(画には出ない。)に怪我を何度もさせられるも、仲良く遊ぶ姿と、ソンたち女の子たちとの微妙な感性性の描き方も巧い。男の子の幼き時の関係性と女の子の幼き時の関係性の対比。

・ソンはジアとの関係性を修復しようと努力するが、上手く行かない。だが、ジアの母親と”若い男”の関係を見てしまったソン。
ー ジアは、勉強は出来るが親の事で心を痛めていたのである。-

・クラスで常に一番であったボラがジアに一位を取られた時の表情。彼女は悔しさを隠しつつ、ジアと同じ塾に入塾する事になったソンに、偶々悔し涙を流す姿を見られてしまう。
ー そして、ジアはボラたちから苛めを受けるようになる。-

■苛められていたジアを想い、ソンが勇気を奮ってボラに対して言った言葉・・。

<今作は、小学生の女の子達が人生で初めて経験する友情、裏切り、嫉妬、全ての感情に戸惑い葛藤する彼女達の姿を鮮烈に映し出している。
 ユン・ガウン監督によるドラマティックな展開に引き込まれる作品でもあるが、今作で描かれている事は、私達大人の世界でも陰ながら起こっているよな、と思った映画でもある。>

<2017年後半に「京都シネマ」で鑑賞>

<2023年9月12日 別媒体にて久方ぶりに再鑑賞>

NOBU
コバヤシマルさんのコメント
2023年9月13日

こんばんは。コメント失礼します。性差関係なく気持ち分かりました。そんな時代もあったねといつか笑える日が来ました。練熟人生も又楽しい。最後の同方向に向ける視線が感涙ものでしたね。

コバヤシマル