カレーライスを一から作るのレビュー・感想・評価
全5件を表示
バーチャルに相対する
これは僕も是非やってみたいプロジェクトです。
グレートジャーニーとして南米最南端からアフリカまでの5万キロを12年かけて歩き通し、最新監督作の『うんこと死体の復権』では自分のひり出したものがどうなるのかを追う人々を記録した関野吉晴さんが、武蔵野美大の学生さんらと共にカレーライスの材料全てを1年かけて一から自分で作り、調達して料理するまでを記録したドキュメンタリーです。
米は勿論、玉ねぎ・人参・ジャガイモの野菜、ニンニク・生姜・うこん・コリアンダーの香辛料などは田畑で作り、塩は海で採取した海水から製塩し、肉はダチョウ・烏骨鶏・ホロホロ鳥などを雛から育てるのです。恐らく関野さんは、「自分が人類の歴史の中のどこに立っているのか知りたい」と思ってグレートジャーニーの旅に出て、「私という人間の営みが生態系のどこに居るのか知りたい」と思ってウンコの人々を追い、逆に「口に入る物はどこから来るのかを知りたい」と思ってこのカレーライス・プロジェクトに取り組んだのだと思います。しかも、知識として知るのではなく、自分の手や足を動かす事で自分の中で消化したいとお考えなのでしょう。色々な活動をなさっている様でいて、全て揺るがぬ思いで貫かれています。
バーチャルな技術が高まれば高まるほどボンヤリした不安も高まり、とにかく自分で歩いて触って遣って味わって確かめたいという思いが強くなる僕の様な人間の飢餓を癒して下さる作品でした。
自給自足って、こんなにも大変でスゴイ事なんだ。
関野吉晴と武蔵野美大の学生との素敵な授業でしたね。食べ物の話は普遍的なテーマなんですね。
人が生きて行く事も矛盾や掟を伝えるには分かりやすいテーマなんだと思う。
参照するのが億劫なのでしませんが、ブタをぴーちゃんと小学生との葛藤映画とか、ドイツの食べるという行為を捉えた映画やイルカのコーブ?もありましたね。映画中で学生の一人が、ある線引きをしながら我々は食べてるんだとの気づき、女学生がスーパーに並んだパックされた肉を、今更ながら凄いと、流通機構に携わる様々な人々の手を経て、人間の都合による殺戮が見事に消され見えなくされ、命が消費されている現実に気づくくだり、やはり、こういうのは体験して初めて実感できる事ですね。
私も鳥を養鶏場から貰い受け、捌いて食べる事を試みたけど、どーしても首が切れません。その瞬間は、ビビってションベンちびり、転げてました。
罪だけど、それが生きているという事です。その深い意味を間接体験させてくれる映画でしたね。小学生でも、充分、見せて良いし、見て欲しい映画です。
ガチで作るカレー
カレーを一から作る流れ。
美術大学のとある講義(課外授業)で実施されたこの授業。
4月に開始し1月にカレーを食べる。
机に向かう勉強も大事だけど、こういった体験しなければ出来ない授業は1年に1回必要だなと感じる。
学校じゃないとこういうことって出来ないよなぁと思うと、学校教育へのメッセージにも感じた。
野菜やお米だけでなくスパイスから作り、容器なども手作り。
もちろんお肉も。
鳥を締めるシーンは思わず顔をゆがめてしまったけど、命を頂くという事はそういう事。
印象的だったのは「動いている動物も生き物だけど植物も生き物。私たちは生き物を頂いている。」という点。
そして学生たちが
「スーパーに並んでいる同じ形の野菜に違和感を感じる。」
「災害や気候で左右されながらも抗って作る食べ物よりも、その状況に準じたものを食べようと思った。」
「(締めた鳥を食べて)泣きながら食べるかと思ったけど、いつも食べてる鳥の味がして美味しい」
という素直な感想。
ドキュメンタリー映画としても良かったけど、テレビでも普通に放送してほしい内容だなぁとも思いました。
観劇した日は保育園児が大量に見に来ており、ちょっと見るの早い年齢じゃないかと思ったけど、幼少期からこういった作品を魅せるのはとても大事に感じた。
そしてU-zhaanのタブラが合間に入るのが、作品に何故かとても合っていて良かった。
カレーライスは不味そう❗
良い経験だと思います。
私も田舎者なので有る程度は理解・経験してたと思ってましたが、目標が無いまま農林高校農業科大変でした。
農作業まだまだ(ケイフンは辛い❗)
酪農は順番制で月一位泊まり込み(1・2・3年各1名に先生❗)
牛・豚の世話です。
人生的にはスゴイ経験と思ってます。
全5件を表示