劇場公開日 2020年1月17日

  • 予告編を見る

「トンデモなく地味な『ロッキー』が過酷な減量の果てに掴んだものは・・・」オリ・マキの人生で最も幸せな日 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0トンデモなく地味な『ロッキー』が過酷な減量の果てに掴んだものは・・・

2020年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フィンランドの片田舎コッコラにあるパン屋のせがれでボクサーのオリ・マキは元ボクサーのマネージャー、エリスの計らいでアメリカ人のフェザー級チャンピオン、デイビー・ムーアとの対戦のチャンスを得る。しかしオリの等級はライト級、対戦までの2週間で体重を57キロまで落とさなければならないが、オリはもう一つ問題を抱えていた。

下卑た喩えで言うと物凄くジミな『ロッキー』。エイドリアンならぬライヤに恋する余り減量もままならないオリにイライラさせられてなかなか感情移入出来ないですが、そんなオリの迷走を察して距離を置こうとするライヤの胸の内を知って、自分が今なすべきことを悟ってからのオリにはグッと引き寄せられました。虚栄心の欠片も持ち合わせないライヤの瑞々しさを美しい街並みの中でさりげなく捉えるモノクロ映像がとにかく印象的。

あとどうでもいいことですがフィンランド映画なのでやたらとサウナシーンがあり、あんまり美しくないものも当然全部映ってます。

よね