劇場公開日 2017年8月4日

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「ジョジョの奇妙な実写化 三池は嘆かわしい」ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ジョジョの奇妙な実写化 三池は嘆かわしい

2018年4月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

ずっと噂されていた少年ジャンプの人気漫画の実写化が遂に実現。
ジャンプは昔読んでいたが、『ジョジョ』は読んでいなかった。内容もほとんど知らないレベル。
去年USJに遊びに行った時『ジョジョ』の4DXアトラクションがあって、それが『ジョジョ』初体験。こういう作品なんだ、と。

当サイトでは意外と高評価されてるようだが、自分的には、三池にまた一つ駄作が増えたかなぁ、と。
原作は読んだ事ないけど、コレジャナイ感が…。
『ジョジョ』も絶対実写化しちゃいけないコミックの一つでしょ。

杜王町に越してきた康一が東方仗助と出会い…という始まり方は初心者にも親切。
が、いざ事件やスタンド使いのバトルが始まると、その親切は何処へやら。
原作ファンには分かるんだろうけど、初心者にとっては置いてきぼり、ちんぷんかんぷん。
一応スタンドの概要も何となく分かるけど、一見さんお断りな感じ。
冒頭の学園ドラマ風なんてただのお飾り。小松菜奈はご贔屓だけど、本作では何の為に出てきたんだ?
奇妙な事件も特にスパイスになっておらず。
超能力者版『クローズZERO』的な中にも、仗助が祖父の遺志を継いで町を守る決意を固めたり、虹村兄弟とその父親との確執など意外にも感動を誘うドラマもあるものの、う~ん、話に面白味を感じられない。
テンポも前半は良かったのに、後半の虹村兄弟とのバトルが長くてちょっとダレる。
この前半テンポいいけど後半失速というのは、『ヤッターマン』と同じ。
スーパー駄作の『テラフォーマーズ』ほどではないけど、演出も脚本も微妙。
結局三池のコミック実写は何ら変わってない。

仗助や承太郎や虹村兄弟やアンジェロなど、キャラの登場はファンワクワクするのだろう。『ドラゴンボール』で言えば、悟空出た!ベジータ出た!ピッコロ出た!フリーザ出た!みたいなもん。
でも、『ジョジョ』を知らぬ者にとってはキャラ誰一人に愛着沸かず。
さらに残念なのは、キャスティング。
若手が揃いも揃って迫力ナシ。山﨑賢人、神木隆之介、岡田将生、新田真剣佑らイケメンを揃えたコスプレ劇。
改めて、山﨑賢人の演技力の無さを痛感してしまった。『ジョジョ』の登場人物はもっとキャラクター立ちしたマッチョメンのイメージなので、山﨑賢人には荷が重すぎた。
伊勢谷友介、山田孝之、新田真剣佑は多少異彩を放っていたが、神木隆之介なんて今回ばかりはただの空気。
キャストで印象残ったのは、スタンド使いではない國村隼の好演という皮肉。
また、観月ありさが山﨑賢人ぐらいの高校生の母親とは、時が経つのは早いもんだ…。

シッチェスでロケした杜王町の雰囲気は良かった。
本作を見るほとんどの人の目的は、スタンド・バトル。
VFXを駆使した「ドララララッ!」「オラオラオラオラッ!」のスタンド・アクションはそれなりに興奮するが、でも三池アクションの醍醐味は、生身のアクションなんだよね。そんな事いっちゃあ元も子もないけど。
話題作りやイケメン揃えやコスプレ再現なんかより、もっと大事な事あるんじゃないのかな…。
仗助にブチギレられるの承知で言っちゃうけど、あのリーゼント、漫画やアニメじゃアリだけど、実写じゃ…(((*≧艸≦)ププッ

この実写映画だけじゃ『ジョジョ』の本当の魅力は全く伝わらないだろう。
それでも、自分には『ジョジョ』という作品は性に合わないかなぁ、と。

ガッカリ感、当サイトの高評価への異論、三池のここ最近の嘆かわしい不作続き…。
採点は2・5でも良かったんだけど、それらを考慮して、厳しめの2!

ジャンプ実写にも『るろうに剣心』『デスノート』『変態仮面』など面白い作品もあるけれど…、
今度ハリウッドでTVドラマ化される『ワンピース』は不安しかないし、いずれ『幽遊白書』も餌食になるんだろうなぁ…。

近大