劇場公開日 2017年8月4日

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「編集が下手くそ」ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 REXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0編集が下手くそ

2017年8月12日
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鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

とにかく真っ先に言いたいのは「髪型を原作に寄せなくてもいいんじゃない?」。

「そこかよっ」て感じですが、とにかくヅラ感がすごくて、そのせいでB級感が出てしまった。

あの承太郎の髪型をリアルに再現するとこうなるんだな~という発見はあったけど。「えっ、この人帽子被ったまま寝ちゃったの?」っていう(笑)
そこはさ、別に忠実じゃなくていいのよ。
第四部は割りとサスペンスなんだからさ、せっかくそこを醸し出してるんだからさ、コスプレで台無しにしないで欲しい。

アベンジャーズもさぁ、キャプテン・アメリカだのアイアンマンだのは、生身は普通の男じゃないか。
絵に書くとバカ丸出しのキャプテン・アメリカのコスチュームも、それを逆手にとって、本人自身もそれはわかってるがこれを着なければキャプテン・アメリカではない、という脚本に仕立ててて、見てるうちに全然気にならなくなっている。昨今のアメコミは原作のコスチュームを忠実ではなく、適度な汚れや金属の質感を上手に出していて、リアリティを持たせるのが非常にうまい。ワンダーウーマンなんて衣装違ってるから。古代ローマの戦闘服のようにうまく中和して、親和性をもたせてる。

ま、そういう風にさ、忠実にすべきスタイルは「髪型バカにされると怒る」という仗助のリーゼントだけにすりゃよかったとつくづく思う。

あと、とにかく編集が下手。変な間が多い、テンポが悪い(特に後半)、かと思えば場面が急に飛ぶ、顔のアップばかり目立つ。

あと台詞ね。
刑事が「片桐、お前何人殺した!!」って、そんなもん殺人犯が答えるわけなかろう。
形兆の親父が写真見て嗚咽漏らすシーンで(熱演)、不覚にもウルウルっとしてしまったら、康一が間抜けな声で「写真だよ、家族の写真だよっ」て。んなもん見りゃわかるし。雰囲気台無しだよ!

脚本の大幅書き換えはいい。うまくアレンジしてくれればいい。
山岸由佳子が世話係だろうと、ジョジョ先輩と呼ばれていようと、まあいい。
ただこの映画は原作読者じゃないとわからない脚本になっているので、これを機にジョジョワールドを知ろうという方にはお勧めしない。

なぜ小説の映画化は成功し、漫画の映画化は失敗するのか。思うに、小説の台詞は練りに練られ無駄が削がれているが、漫画は連載で決められた頁を台詞で埋めようとする。その台詞の取捨選択が実写化するさいに失敗してるのではないか。ひとえにそれは、原作のエッセンスを抽出して再構築するほどの力量や熱意が、制作サイドにないということになる。

ロケ地にスペインを選んだのも大失敗。
仙台や被災地を選ぶことはできなかったのだろうか。
大聖堂や石畳の路地裏にベタベタ貼られている日本のチラシや看板、わざとらしい。日本だから第四部を選んだというわりには、お墓や葬式は日本のそれではない。
ところどころ映り込んでいる外国人は、エキストラなのか現地人が映り込んでしまったのか。
観月ありさ以外はキャストの演技はそれなりだったので、全体的なチグハグさが残念でならない。映画の世界観に全く没入できなかった。

REX