「悪くないよ、むしろいいよ」ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くないよ、むしろいいよ
公開前からディスの限りを受け尽くした実写版ジョジョ。アニメが原作に忠実かつちょくちょく補完まで入れて大絶賛されたあとの実写化だもの、そりゃあ叩かれるわな。
しかし、悪くないと思う。確かに原作ファンとしてがっかりする部分はあったが、それでも酷評には当たらない。山崎賢人さんの演技はひどかったけど。
まず、スタンドは滅茶苦茶よくできている。格好いい。邦画のCGはつるっとしていて画面から浮きまくるのが普通だが、そんなことは全くない。スタンドバトルに関してはアニメよりも実写版の方に軍配が上がる。そう断言してもいい。特にバッドカンパニーの総攻撃を捌くクレイジーダイヤモンドの迫力はかなりのものだった。エコーズも適度にぬめっとして実にかわいい。飼いたい。
次に役者。元々ジョジョに出てくる髪形、服装は奇抜であり、どうやってもコスプレにしかならないのだが、だから気に入った!また、見た目だけではなく、キャラの性格もきちんと再現できていたように思う。特によかったのは虹村兄弟。億泰のバカっぷりは最高ですよ。
ストーリーは適度に組み換えて、要所要所だけ拾っていく感じ。少量の突っ込みどころをスルーできれば(難しいか…)楽しく見ることができるはず。
ただ、当然悪いところがある。箇条書きにすると、
・無意味な改変(ジョジョ先輩、バッドカンパニーの設定、アンジェロの大物化など)
・「ジョジョっぽさ」がない。名言も“ジョジョ立ち”も心に響かなかった
・3部を知らない人には承太郎やジョセフがわからない。浮く
・にも関わらず、上記のようにファン向けではない改変がある
・山崎賢人さんの演技が下手
まとめると「ジョジョファン向けではない」にも関わらず「知らない人向けでもない」。俺のような「原作ファンでありながら多量の改変を許容できる人間向け」とすればいいか。でも本当にスタンドバトルは格好いいし、キャラの再限度も高い。酷評しなくてもいいじゃないか、と、そう思う。