「欧米ではやや評価が低いようだ」アシュラ タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)
欧米ではやや評価が低いようだ
この映画がこうまで日本人や韓国人の心に響いてくるのは ラストの音楽の力のおかげであろう。 この音楽は多分 欧米の人の心には響かない。 主人公の陥ってしまった悲劇がこの音楽によって見事に表現されていて 見終わった後にすごい映画だったという 塊のようなものが 心に残った。
一方で冷静に考えてみると これはとても無理のある ネタだ 。こんな状態にはまったら 主人公は助からない。どう考えても助からないから、脚本家が 諦めて 主人公に自爆させた・・・という しょうもない結末だ。 なのに こんだけの作品になっている、もう一つの要素はクライマックスの威力だと思う。映画というものは クライマックスがしっかり作られていると それまでの経過は多少 どうでも良くなる。観客は 魔術にかかったように感動してしまうものだ。
とはいえ、この映画から伝わってくるものは単なる感動というものではない。 もっと 何かわだかまりのような、喉にモノが詰まったような 妙な感慨のようなものだ。そしてこの感慨もまた欧米人とは共有できないものなのかもしれない。
こういうところに身を置いたら こういう ハマり方をして逃げられない・・という意味では セルピコ
仁義なき戦い
不夜城
を彷彿とさせるものがあった。松本清張 作品 なんか読んでいると市議会議員≒ ヤクザという設定がよく出てくるが当時は 市長 でもそんなもんだったかもしれない。 そして 韓国では今でもそうなのかもしれない・・とかいうことをちょっと思った。
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