オリーブの樹は呼んでいるのレビュー・感想・評価
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ただただまっすぐだけど嫌じゃない。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』の脚本家で、監督がその妻で『エル・スール』の子役だったイシアル・ボジャイン。その組み合わせに興味が湧いて観た。
物語もテーマも非常にシンプル。現代に生きるわれわれは自然と共生できるのか? ただし、土地に根差して質素に生きるか、開発によって富を選ぶかではなく、どっちを選んだところで貧困が待っているのが非常に現代的だ。
ただテーマを掘り下げる点ではちょっと食い足りない。しかも当初の脚本では無事に樹を取り返すラストだったらしく、監督の娘が「ありがちすぎる」と言ったことで完成品のラストに至ったとか。まったくもって正解だったと思う。
ケン・ローチ映画のような凄味には届いてはいないが、この映画の真っ直ぐさを嫌いになれない。深くはないが清々しい。そして人を動かすのは、したり顔の正論より愚直で真っ直ぐな思いだったりするのを、歳を重ねるにつれ痛いほどい思い知るのである。
企業の欺瞞を指摘するなら具体性が足りない。
悪くはないんだが主人公が猪突猛進でいまいち感情移入しづらい。
主人公が頑なのには理由がある。性被害に遭ったことを告白したときに父親が何もしてくれなかった不信感から来ている。
祖父の反対を押し切ってオリーブの木を売って金を手に入れた家族は新たなビジネスを初めても結局幸せになってない。夫婦仲も破綻している。娘も性被害に遭った。
結局、経済成長のために環境破壊をしても長い目で観れば解決にならないように、近視眼的な対応策では何も出来ないということが言いたかったのかもしれないが、それこそ企業の欺瞞をもっと具体的に暴くような内容にして欲しかった。
今の課題がたくさん詰まってる
樹齢2000年のオリーブの木が伐採され、いろいろなところに移植されたという。
スペインの話。
おじいさんと孫とオリーブの木。
オリーブの木は呼んでいるというタイトルが陳腐だが、おそらく原題スペイン語のタイトルは英語ならthe oliveなのだろう、それはそのオリーブでしかなく、おじいさんが取り結んだオリーブとの関係は、我と汝の関係ではないか。
木を切り薪にした家もあるという。
樹齢2000年の、地球の歴史を見てきたオリーブの木は中国やドイツやいろんなところに運ばれたという。
金持ちと持たざるもの。
オリーブ農園から絞られるより安価な油が出回りオリーブ林を維持できないこと
腐敗した政治経済のシステム
大企業や国によるグリーンウォッシュ
児童や女性への暴行、性加害、そのために生じるトラウマ
格差、、、同じEUでもスペインのオリーブ林の人はドイツに気後れするしオリーブの木といったら木の命どこほか人の命も軽んじられているパレスチナのことも思うだろう。
おじいさんは、木を切り売ることを決めた息子に、このオリーブは自分のものではないという、これは今の世界での考え方、地球上のもの、自然、資源全て地球から借りているもの、未来から借りているものということを、おじいさんは生まれた時から育った土地でしっていて、その木を怪物、アニミズム的に愛する孫、少女もまた体得していたのだろう。でも仕事とかお金とか家族食べさせるとか、くだらないけどのっぴきならないことがついてまわるのだ。
おじいさんを理解することなく日々の暮らしに翻弄されてきたお父さんは、自分を恥じる。
自分を恥じる ということを忘れがちな今。
泣けた。
私が食べているオリーブの油や実はどこからどのように来ているのか。こちらも貧乏人で手間暇かけたちゃんとしたオリーブオイルをいつも買えないかもしれねいけど、買う前にthe oliveのことを考えようと思う。
マッチョな男たち
彼らにとってオリーブの木は財産である。
おじいさんにとっては、預かりものでその土地で大切に次の世代に引き継がれていくべきもの。
おじいさんの死を無言で伝えるシーン、父との和解のシーンが良かった。
主人公にまったく共感できない
おじいさんのために昔売ったオリーブの樹を取り戻しに行きます。
しかし、なにも考えず行動し、詳細を問われるとヒステリーを起こしてどこかに行ってしまう。
そして嘘をつき親戚、知人を巻き込む始末。
そして現在の所有者のもとへいきFacebookで集まった人たちと迷惑行為を働く、という他人を顧みない主人公でした。
もっと情熱や頭を使って最後の展開まで行ってほしかった。
怪物
痴呆なのか寂しいのか口もきかずまともに食事もしないお祖父さんの為に、かつて大切にしていたものの父親が売ってしまった樹齢2000年超のオリーブの樹を取り戻そうとする孫娘の話。
父親の愚行とか祖父への思いや怪物くんへの思いは理解できるものの、小学生や中学生じゃあるまいし嘘ついたり、犯罪犯してまで猪突猛進って、お国柄の違いなのかまるで共感できない。
環境破壊がどうとか絡めているけれど、オリーブの樹の所有に関しては何も問題ない企業に対しての仕打ちがまともじゃなくて、これこそまさに怪物の所業で恐ろしい。どれだけ自己中だよ、わがまま過ぎてポカーンで感動なんかできませんよ。どこかの半島の民族が頭を過るわ。
最後はうまくまとまったけど、ちゃんとした手段で悪戦苦闘してこのオチなら良かったのに。
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