「涙がとまりませんでした。」君の膵臓をたべたい(2017) Daikiさんの映画レビュー(感想・評価)
涙がとまりませんでした。
元々は私が大好きで子役の頃から注目してた若手女優、浜辺美波さんがヒロイン役として出る映画として注目していました。そして原作を読みました。最初にタイトルを見たときは
意味がよく分かりませんでしたが、そのタイトルの意味は物語の序盤で明らかになります。浜辺さん演じる咲良(さくら)は末期の膵臓ガンで余命1年と宣告され、そんな時に偶然主人公にそのことを知られることになります。なんでも病気のことを知っているのは家族以外では主人公だけなんだとか。
それからというもの、咲良は主人公と一緒にいるようになります。最初は嫌がっていた主人公も徐々に心を開き、そして死が近いにも関わらず笑顔で居続ける彼女に興味、尊敬、そして知らぬ間に恋心さえ抱き始めます。そんなとき、彼女はふと言います。「昔の人は悪いところがあったら動物のその部分を食べて治していたの。だから私は君の膵臓が食べたい。」こういう意味だったのかと。なるほどと思いましたが、実はこの題名にはもう一つ意味が込められていました。
「死んだ人の一部を食べると魂がその人の中で生き続ける。」それを聞いた主人公は後に彼女の膵臓をいっそ食べてしまいたいと思う場面もあります。こうして残り少ない咲良の生活を共に過ごしていく主人公。2週間の検査入院もあり、いよいよ死が近づいているのかと恐怖を隠しきれない咲良に主人公も想いを寄せるのです。退院したら、2人で桜を見に行こう。そう約束をしました。そして咲良は無事退院。主人公は以前彼女がしてくれた様に、今度は自ら旅行の計画を立てます。幸せな瞬間が訪れるはずだったその時、悲劇は起こりました。最近巷で出没情報が出ていた通り魔に刺され、咲良は死にます。突然過ぎる別れに涙も出なかった主人公。その1ヶ月後に主人公は生前咲良が書き続けていた共病文庫を読みます。そこには初めて彼女と話した日から事件にあうその日の朝までの彼女の想いが書かれていました。そこが1番泣きました。涙がもうとまりませんでした。主人公を演じる北村匠海くんの演技も素晴らしかった。いまいる大切な人はいつまで一緒にいられるか分からない。この瞬間がずっと続く訳ではない。例え余命を宣告されたってそれよりもっと前に死ぬかもしれない。その人ではない人が死ぬかもしれない。何があるか分からないからこそ、毎日を、特別なことをしなくてもいいこの幸せな日常を大切に生きなければならない。そのような想いにさせてくれる映画でした。原作の内容を変な風に省かずに見事に映像化もされたおり、好きな女優、そして大好きなミスチルの主題歌と個人的には本当に見てよかった映画だした。間違いなく今までで5指には入る作品でした。