「できそこないの映画?」オン・ザ・ミルキー・ロード bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
できそこないの映画?
前半はブニュエル的味わいもあり、この先、どういう展開になるのか、とかなり、期待をしながら観ていたのです。特に屠殺された豚の血で複数のアヒルが血浴びをする場面はこの監督の面目躍如たるものがありました。しかしながら、モニカ・ベルッチが登場する後半は謎の三人組の男に追われ、ただ、ひたすら逃げまくる極めて単純で冗漫な逃走劇に・・・。地雷に吹き飛ばされる羊の群れが、映画と判っていても、なんとも無残でした。
久しぶりに観たクストリッツァの映画でしたが、「アンダーグラウンド」のような作品の強度は感じられませんでした。クストリッツァの神通力ももう、賞味切れなのでしょうか・・・。なんとも残念な作品でした。公開している映画館が極めて限られているのも頷ける話です。
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