劇場公開日 2017年9月15日

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「☆☆☆☆ 『黒猫・白猫』以来、やっと最高に頭がイカれたクストリッツ...」オン・ザ・ミルキー・ロード 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆☆ 『黒猫・白猫』以来、やっと最高に頭がイカれたクストリッツ...

2017年9月25日
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☆☆☆☆

『黒猫・白猫』以来、やっと最高に頭がイカれたクストリッツァが帰って来た。

ファーストシーンから始まる、「金太郎飴かよ!」…と言う程のクストリッツァ印オンパレードに嬉しくなる。
登場人物達のキャラクター設定。出て来る動物達の螺子のハズレっぷり。ストーリー展開全てがイカれ捲っている。

例えば、クストリッツァに於いてのセックス描写は。モニカ・ベルッチが服にミルクをこぼしながら運ぶ場面で有り。クストリッツァ自身が演じる主人公が怪我をし、それをベルッチが治療する。
その際に、痛みを堪える場面こそはクストリッツァ流の◯起表現に他ならない(笑)

映画は前半部分での破茶滅茶振りがとにかく面白い。
後半は一転しての愛の逃避行になり、前半で沢山出て来る、イカれた動物達が画面に映らなくなるのが残念なのだが、クライマックスでの阿鼻叫喚地獄絵図が凄まじく。「クストリッツァ!一体お前の頭の中身はどうなってるんだ!」…と心の中て叫んでしまう。

そして最後は…。

おいおい!やられたな〜これは。
思わずホロっとしてしまったじゃあないか。

(多分ファンであろう)シャガールをイメージする飛翔場面を(半ば強引に)臆面も無く使う辺りがまた嬉しいし。水辺を漂う花嫁衣装は、ジョン・エヴァレット・ミレーの名作絵画「オフィーリア」に対するオマージュなのだろうか?

家に帰り色々と思い出しながらの食事。
何だかご飯3杯はいけそうだ。
鏡の前で自分と闘い続ける鶏が可愛い過ぎる(^^)

(2017年9月25日 TOHOシネマズ/シャンテシネ2)

松井の天井直撃ホームラン