メッセージのレビュー・感想・評価
全221件中、1~20件目を表示
SVOCや時制といった中学英語を、学び直したくなるSF映画
宇宙船をみてもわかるように、人類よりも明らかに高度な文明を持ち、
おそらく高次元っぽい世界にいる知的生命体(異星人・エイリアン)が、
世界各国へ同時に地球にやってきて、その言葉の通じない異星人たちと、
コミュニケーションを取ろうとする言語学者のお話。
SFというと、科学技術がメインになる作品が多いが、
言語(言葉・文字)の特性や知識を活かしたSF、という所が、斬新で面白かった。
日本語と、英語の違いで、
真っ先に思いつくのは、主語と述語(SとV)の扱い方だ。
日本語は、文字にすると、SとVが離れて使用される事が多い。
言語構造として、SとVの間に複数の修飾語が入り、
結論としてのVは、だいぶ後方に位置する。
また、Sは省略されて使用されることも多い。
対して英語は、まず最初にSとVが表記され、修飾語はVの後方につらづらと入る。
日本語:
「(私は=省略)、昨日、映画を、隣町の映画館で、夜遅くに、一人で、寂しく、観た。
英語:
私は、観た、映画を、寂しく、一人で、隣町の映画館で、昨日、夜遅くに。
これだけ見ても、英語圏の人は日本語圏の人よりも、主語と述語がはっきりとしており、
主張が強い、個人(我)が強い、という印象を抱く。
言語が異なると、その使用する言語ごとの価値観や感覚が生まれ、
使用者の行動や考え方に強い影響力を与える。
多様であると同時に、共存共有しずらい不寛容さをも生み出しやすいもの、
それが言語だといえる。
その最たる例が宗教であり、たとえば、イスラム語圏の人々は、
頭を神聖なものと捉え、子供の頭をむやみに撫でたりしない。
また、イスラム語圏の女性は、家族以外の男性に肌や髪を見せたがらない。
日本人(日本語圏の人々)にも同様の事柄があり、たとえば、
葬式から帰って家に入る前に、「塩を体にふって清める」という行動は、
他言語圏の人々から見て、理解しがたい光景に見える。
日本語でいう所の「穢れ」の思想である。
葬儀後にケガレを家の中に持ち込まないよう、塩を振りかけるといった行為にある。
他方で、日本語も、英語も、その他の言語も、
多くの地球に存在する言語の共通点は、「時制」を持っている点である。
1つの言葉には、過去形、現在形、現在進行形、未来形といった形を持っている。
地球人の言語は、多様な種類の言語があり、直線的で一方通行的な時制を保有している。
ところが、異星人の使う言語は、多くの象形文字に通じるような、時制が無い言語を使う。
時制が無いという事は、時制を必要としない世界の住民であることが伺える。
3次元世界の地球人とは違い、異星人が4次元世界の存在である事を示唆している。
3次元と4次元の違いは何かと言えば、
時間軸が「非直線的で一方通行的ではない双方通行的な世界」であること。
バックトゥザフューチャーのような、過去と現在を行き来する描写は無いので、
異星人は、現在と未来を行き来する知的生命体、
もしくは、現在から未来を見ることができる知的生命体、
言い換えれば、3.5次元の知的生命体、ということになる。
3.5次元の異星人の言葉を、3次元の地球人が研究し、理解し、習得すると、
現在から未来を見る能力、
すなわち、高次元の言語が使えるようになると、未来予知も可能になる、
というSF展開が、知的で説得力があり面白かったし、
物語のシーンが展開するたびに、主人公の目が覚めるたびに、
フラッシュバック的映像として差し込まれる、子供との過去の「思い出」が、
そうではなかったと、裏切り演出だったことに気づいた瞬間の興奮度たるや、
SF映画の醍醐味であり、映画が名作に代わった瞬間でもあった。
また、昨今の量子力学の研究発展から、
こういう能力を持った異星人が、科学的にいてもおかしくない状況であったり、
高次元世界の存在の可能性が、科学的に現実味を帯びているのも嬉しい。
将来を受け入れ、瞬間を慈しむ
構成、ストーリー、どれを取ってもあっぱれ。
すぐに理解できないところが難儀、、
時系列
エイリアン→未来予知(別れること、子供が死ぬことを予見しながらも結婚)→ルイーズとイアン結婚→子供→未来予知で離婚する未来と離婚する未来を相談→離婚→子供亡くなる。
最後のルイーズの決断に感動
よくある宇宙人との接触ものかと思いきや、予想外の展開にビックリ。回想シーン=過去の先入観に騙され、未来の光景だとは疑いもしなかった。冒頭から娘の死でトラウマを抱えた主人公の話だと錯覚させられる。
最後のルイーズの決断に感動。辛い未来を知ってでも受け入れて進む、ルイーズの姿勢は私には真似できない。私だったら子供が死ぬと分かってたらイアンとは結婚しない道を選ぶかもしれない。
どんでん返しがあるとは聞いてたけど、斜め上の形で感動系の終わり方に持ってたのが良かった。
こういうの好きだけど一点だけ…
宇宙もので時制を超えた展開好きです。
インターステラーとかね。
これは間違ってDVD借りて2度目の鑑賞なのだけど。
一個だけ疑問が。
将来、ルイーズが自分の出版記念パーティー?で将軍と会う時、
将軍に電話したこと自体覚えてないのはなぜ?
その成果が周囲にも伝わらないと携帯で電話したこと自体罪に問われるわけだし。
でも繰り返すけどこういう映画嫌いじゃない。
文字を用いた地球外生命体との交信を描く異色作
ある日、突如宇宙からアメリカ、中国、ロシア、日本等、世界の12ヵ所に巨大な宇宙船が出現。言語学者のルイーズは、過去に軍で翻訳の仕事をした実績を買われ、物理学者のイアンらと共に、宇宙人が地球に来た目的を探る事になる。宇宙船に招かれたルイーズらは、地球外生命体“ヘプタボット”と交信し、彼らの使う文字を解読する作業が始まった。
監督は『ブレードランナー2049』『DUNE/砂の惑星』シリーズの鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ。原作はテッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』。
原題は「来日、到着」を意味する“Arrival”だが、邦題の“メッセージ”は本作の本質を的確に表現した素晴らしいタイトルだったように思う。
また、日本ではヘプタボットの乗る宇宙船の形状が米菓子の“ばかうけ”のようだと話題になったが、見れば見るほど黒い“ばかうけ”にしか見えなくなってくるから面白い(笑)
侵略目的ではない宇宙人との遭遇、彼らの使う文字の解読、ヘプタボットの特徴的な7本足やヒトデのような手のひら、宙に描かれる墨を吐き出したような文字と、あらゆる面で独特な世界観が展開される。宇宙船の佇む野原の昼夜様々な景観、霧に包まれたような宇宙船内と画的な魅力も素晴らしく、静謐で美しいSF作品に仕上がっている。
ルイーズ役のエイミー・アダムスは流石の演技力で、パートナーとなるイアン役にはジェレミー・レナー、米陸軍大佐ウェバーにフォレスト・ウィテカーと脇を固める俳優陣も豪華。
脚本の構成による、終盤のどんでん返しが見事。
冒頭から展開される、ルイーズと幼い愛娘ハンナとの思い出。病院で赤ん坊のハンナを抱く様子や、成長し共に遊ぶ様子、小児癌を思わせる重病と抗生物質の副作用による頭髪の抜け。奮闘敵わず、幼くして愛する娘を失ったルイーズの悲しみは、過去の出来事にしか見えなかった。そこから間髪入れずに大学での講義に向かう姿は、“娘を失った悲しみを背負って仕事に励む女性”と勘違いさせるには十分な演出だった。「あなたの物語は、あの日から始まったと思っていた」というモノローグや、父親の姿や名前が登場しない様子に僅かばかりの違和感こそあれど、「余程、旦那さんとは上手くいかなかったんだな」と自然と解釈してしまっていた。
ヘプタボットとの交信を繰り返す中で、ルイーズ度々娘の夢を見る。それは、娘を失った辛い記憶のフラッシュバックで、娘と過ごした日々の中に彼らとのコミュニケーションの鍵を見出しているように映った。
ところが、彼らの目的を知らなければ、中国をはじめとした世界各国が宇宙船へ軍事攻撃を開始してしまうという瀬戸際で、宇宙船でヘプタボットのコステロに、ルイーズは「この子は誰?」という強烈なインパクトの台詞を放つ。「ルイーズは未来を見る」と告げるコステロによって、ルイーズが今まで見てきた娘との記憶全てが、未来視によるものであった事が判明する。そして、娘の父親となるのが、共に解読作業に当たっていたイアンだったのだ。だから父親の名前や素顔が明かされなかったのかと分かった瞬間の気持ち良さは抜群だった。彼が何気なく放った「独身のままだ」という台詞の意味も回収される。
ラストでイアンのプロポーズを受ける際、ルイーズは「この先の人生が見えたら、選択を変える?」と問う。それに対して、イアンは「自分の気持ちをもっと相手に伝える」と答える。
この回答が素晴らしい。恐らく、この台詞を受けたルイーズは、未来視したイアンと離婚する未来には辿り着かないのではないかと思う。ルイーズの未来視では、未来が見えるが故に、イアンを傷付け離れてしまった様子だった。しかし、「未来が見えるなら、ちゃんと相手に気持ちを伝える」と答えるイアンによって、ルイーズは未来が分かった上で、限られた時を大切にすると、彼と共に歩む決心をした。ならば、この瞬間に未来は僅かながらも確実に姿を変えるのではないかと思う。“イアンと結婚してハンナを産み、彼女を病気で失う”という未来は変わらない。しかし、その未来を満たしているのは、本来の未来よりも愛という“メッセージ”に溢れたものだろう。ハンナを失うその日も、ルイーズはイアンと共に悲しみ、さらにその先の人生も彼と共に歩んで行けるのではないかと思う。
この微妙に、しかし確実に姿を変えたであろう未来を予感させる美しいラストに胸が熱くなった。
また、本作は未知へ対する恐怖心から陰謀論に走ったり、過激な行動に出る人間の愚かしさも描かれており、それらを排して“繋がろう”というメッセージもある。ヘプタボットの言う「3000年後に人類の助けが必要になる」という未来がどんなものかは想像もつかないが、それまで人類という種が“繋がり”、存続し続けているよう祈りたいものだ。
物理的時間と心理的時間のトピックを組み合わせた時間をめぐるドラマ
時間は物理的時間、肉体的・生理的時間、心理的時間に大別される。
物理的時間は時計で測れる過去から未来へと流れる時間、肉体的・生理的時間とは体内時計等の時間、心理的時間とは「楽しい時間はあっという間だが、退屈な時間は延々と長い」と感じる時間のこと。
例えば、今でもファンの多い『ある日どこかで』は物理的時間と心理的時間を組み合わせたタイムトラベル映画で、行きたい時代の品物を身に付けて自分に催眠術をかければ、実際にそこに行けるというほのぼのとした映画だった。
原作を読んでいないので詳細はわからないが、本作も物理的時間と心理的時間に関する次のようなトピックを組み合わせてドラマ仕立てにしていると思われる。
①循環的時間と流れる時間
物理的時間の認識形態をみると、古代人の時間意識は生命を左右する作物の収穫、天空の動きとともに形成され、そこでは季節とともに生命が死に絶えるが、新たな季節とともに再び生命が甦るという循環的な時間認識が形成されていた。その後、科学の発達とともに時間は過去から未来へ不可逆的に流れるものだという認識に変容した。
②ラプラスの悪魔
宇宙にあるすべての物質の質量と運動量を知っているものは、宇宙を未来まですべて予言できるという仮説。現在では量子力学により否定されているが、本作では異星人は3,000年先まで予知できるという設定である。
③言語によって左右される時間意識
人間は言語によって思考するが、言語によって異なる時制があるように、言語が異なれば時間意識が変容する。それを本作はSF的に予知能力にまで大幅に拡大している。
本作は基本的な構図としては、SFによくある異星人とのファーストコンタクトもののうち、「いい異星人」との接触パターンである。
言語学者が異星人の言語を習得した瞬間、予知能力を身に着けて、地球人と異星人の戦いを未然に阻止するというだけの単純なストーリーなので、作り方が難しいところだが、冒頭から何度もヒロインの未来のシーンを挿入することで、重層的なイメージを作り上げている。
ただ、ここには好みの問題も入ってきて、「未来がすべてわかってしまうのは味気ない」と考える小生にとって、最後は「ちょっとなあ」と首を傾げざるを得なかった。
ハードSFの金字塔
いろいろ書きたくてめちゃくちゃ長くなるので、内容が伝わるかは置いといて羅列することにした。
ちょこちょこインサートされる娘とのシーンは、最初過去の出来事だと思って観ていたが、次第に未来の出来事だと気付き、さらにループしていて過去でもあるが未来でもある事に気づいた。あれは連続している。
宇宙船は最後ふわーっと消えたが、あれは去ったのではなく、初めからそこに居ないのであり、同時に今も居るんだと気がついた。去ってはいないし、来てもいない。
前後が存在しない世界では時間の概念が無い。いずれ死ぬが死なない。
宇宙船もヘプタポッドも12体現れたが、同時存在なので実は全て同じ1体が同時に多重存在している。
と、ここまで来ると勘づくが量子論が科学の原理原則に栄えたら多分、ヘプタポッドのワールドになると思われ、我々三次元の上の世界は時間を操れるんじゃなくて、時間が無い次元で後先も無いから仏教の哲学で説かれる色即是空空即是色なのがきたる未来なんではないか?と。
僕は神さまと思われる人物?と合って話しをしたことがあるが、間違いなく言えるのは、一瞬で背後に居て、一瞬で居なくなったから、自空をコントロールしているってこと。自分の体験からメッセージはあながち只のSFでは済まない気がしている。
静けさ溢れていて薄暗い霧の中にずっといるような映画
疲れたけどおもしろかった!
映画の空気感自体はずっと静けさに溢れていて、薄暗い霧の中にずっといるような映画でした。
各国が戦争を仕掛けるか…!?というピリピリバタバタはやはり流石にあるものの結構落ち着いて見れる作品です。
実際に宇宙人がきたらたしかに言語学者が解明していくんだろうなあという感心と、一歩一歩宇宙人の言葉を解き明かしていく過程がパズルを解くようでおもしろい作品でした。
学術的にはこういうアプローチになるのねえみたいな知的なおもしろさでした。
過去、未来、現在が同軸に存在するという世界観も私には新鮮で楽しかった。ああなるんだな〜。ああなると自分の選択に意味がなくなりそうで、決められた未来しか歩けなそうでなんかちょっと怖いな。
あとは宇宙人ものなのでいつ殺されるのか?なんか不穏な映像も挟まるぞ?とずっとヒヤヒヤソワソワして気を張ってたのでとても疲れた!
また、一兵卒が爆弾仕掛けるあたりとかの作りは唐突で雑だったりと、ところどころおや?とは思ったり。
でも基本的には楽しく見れました。
人生をどのように紡ぐか、についての映画
宇宙人ヘプタポッドの言語を解読するというストーリーに、フラッシュバック的に差し込まれる女の子の映像に戸惑いながら鑑賞するも、ラストになって全貌が明らかになるにつれ、深い感動が込み上げてきました。
ヘプタポッドの言語を理解することで未来を見通すことができる主人公ですが、そもそも未来という時間概念は西欧近代に限られたもので、そう言えば、日本では、正月が来るとすべてがリセットされるという円環の時間概念がまだ生きているような気がします。(とは言え、過去、現在、未来、という一直線の時間概念がすっかり身についていますが。)
未来を見通すことができる人間がどのように人生を選択するのかという問いは、まさにひとりひとりの人生の物語だと強く感じました。
ヘプタポット語学びたい
ざっくりまとめると
言語は思考を形成する
→エイリアンの言語を学べばエイリアンの思考のエキスが入る
→今回のエイリアンは未来が見える奴らだったので同じ感覚になれた
(正確には過去現在未来を認識していない)
僕もヘプタポッド語を学んで未来を見てみたいな
多分将来は5教科に国語算数理科社会ヘプタになるんだろうな
ヘプタポッドの授業は筆ペン使うんだろうな
ヘプ検準二級とか取っときたいな
ヘプタポッドの単語カードとか発売されるんだろうな
国際ヘプタポッド大学とか青山あたりにできるんだろうな
ヘプタポッド学ぶために語学留学したいけど受け入れてくれるホストファミリーいるかな
余談
宇宙船がモノリスっぽくてアゲ⤴️
最近黒くて無機質の直方体が全部モノリスに見える
録画レコーダーとか触んの一瞬躊躇しちゃう
素晴らしいSF!
SFは好きな方なので、ずっと気になっていたのをようやくみれました。
素晴らしい。SFのイメージを変える映画だと思いました。
SFと言えば宇宙戦争をしているものが多く、それはそれで好きです。
ただこの映画は現実にありえそうな状況を映画にしていて、学者たちが活躍する。活躍といっても派手なワクワクよりも、淡々と着々というほうが強いです。
宇宙人とのコミュニケーション、他国との協力、起こりえそうなことが続き、本当に宇宙人が地球に来たらこう言う対応をするのだろうか。と思いました!
また、主人公の記憶が最初にでてくることにより、そこからもう映画の見方が結末を知ってるか知らないかで全然変わってきますね。
まさか未来が見えていたとは全然思わなかったので、悲しい人が今でも悲しみを抱えながら生きているところに宇宙船がやってきたのかと思いました。
これはもう一度みたら印象が変わり、違う見かたができそうです。
そして疑問に思うのは、果たして彼女は未来を見たことによって旦那に言うことで同じ結果になることを覚悟するのか、未来を変えるのか。気になります。
どんなメッセージか
正体不明の飛行物体とのコミュニケーションが丁寧に描かれていて、映像もBGMも美しい。
主人公ルイーズの回想シーンだと思っていた場面が、実は回想シーンではなく未来だった。
未来を知るとはどうゆことなのか、考えると深みにハマっていけて楽しい。
いくつかのメッセージのひとつは、”全ての人類が一つになること”。
いくつかのメッセージのひとつは、”全ての瞬間を大事にすること”。
他にはどんなメッセージがあるか、何度も視聴してみようと思った。
ON THE NATURE OF DAYLIGHT‼️
この作品は現代の「未知との遭遇」か⁉️いや現代の「地球の静止する日」か⁉️そういう形容で片付けられない、素晴らしいSF映画の名作だと思います‼️ある日、突如として地球上に飛来した巨大な宇宙船。言語学者のルイーズは、宇宙船との意思疎通を図る役目を任される。彼らの目的は一体何なのか・・・⁉️奇妙で不気味で、洗練さが極められた宇宙船のデザイン‼️まるで枝豆みたい‼️鳥肌立ちますね‼️ヘリコプターから俯瞰ショットで撮られた宇宙船の全体像は、大自然の美しさと融合してホントに素晴らしいです‼️そして宇宙船内部のもやの中で謎めき続ける7本脚の知的生命体のアボット&コステロ‼️タコみたいなんですけど、知的に見えるから不思議‼️そして彼らが発するグラフィックデザインのようなシュールな文字‼️知的ですね‼️SF映画として一番重要になってくるこれらのビジュアル面は斬新すぎて言う事ありません‼️そして "彼ら" が人類とは違う時間の概念を持っていることに気づくルイーズ。"彼ら" の目的は3000年後に人類の助けを借りらねばいけないことが起こるのを人類に伝えること。フラッシュバックではなく、未来を予知するフラッシュフォワードで未来を見る "彼ら" と接するうちに、ルイーズは自らの未来をフラッシュフォワードする。そして自身とこれから生まれる娘の衝撃的な未来を知る。たとえ変えられない未来があったとして、人はそれを知った時、その未来に対してどう向き合うのか⁉️ルイーズとジェレミー・レナー扮するイアンのやりとり「この先の人生が見えたら、選択を変える?」「自分の気持ちをもっと相手に伝えるかも」が印象的です‼️胸に残ります‼️原作は「あなたの人生の物語」というタイトルらしいですが、この作品は宇宙船の飛来というSF的な設定を借りた美しすぎる人間ドラマだと思います‼️特に冒頭と最後に描かれるルイーズと娘ハンナのフラッシュフォワードのイメージは、無機質なリアルさで知的生命体との意思疎通を描くメインパートとは明らかに違っていて、様々な感情が入り乱れて光輝いています‼️ホントに美しい夢のような詩情性に満ち溢れていて、アンドレイ・タルコフスキー作品、特に「惑星ソラリス」を連想させられました‼️そこにマックス・リヒターの名曲「ON THE NATURE OF DAYLIGHT」が被さるんですからもうたまりません‼️涙腺崩壊です‼️ドゥニ・ヴィルヌーブ監督のSF作家としての才能が見事に花開いてますよね‼️女性の真の強さを体現するエイミー・アダムスの演技力もホント素晴らしいです‼️間違いなく2010年代最高のSF映画‼️
なるほどの落ち
未知の生物との交流と、自分の人生という掛け離れた題材を融合させたと思う。それで冒頭のシーンも納得。この題材の距離感と時間軸の交錯感が絶妙。見終わって振り替えると後でじわじわ分かってくる作品でした。分かっているから、もう一回観たらちがう印象だろうね。
それにしても宇宙船も生物も、こういう造形の才能は感心。七本足はやられた感、奇数でこの数、恐れ入りました。
雰囲気はいいが、物語はダメ
巨大な縦長楕円体の宇宙船12隻が空中に浮かんでいる。まず、地球の科学技術で、解読できない宇宙船、生命体だとしたら、地球よりも進んでいると仮定するのが通常。世界の存続にも関わるとしたら、まず政治家、科学者、言語学者、軍隊が総動員して対処しなければならない。軍隊を全面に出して喧嘩腰?あり得ない。宇宙船の素材の分析、どうやって浮遊しているかなど解明もするだろう。生命体の形状、動作などを分析するチームも必要。特にアメリカ映画を見ていると、軍隊の力を誇示したいのを何とかならないのかって思う。
宇宙船に乗り込むまでの雰囲気は良かった。確かに、宇宙人が来た場合、どうやって相互のコミュニケーションをするかって大きな問題だ。そのコミュニケーションを取ろうとするところまではいい感じ。ただ、その後はサスペンス的要素が強すぎて、深い物語にはなっていなかった。映画の演出も、効果音とヘプタポッドの言葉がごちゃごちゃしてわかりづらかった。
原作を読んでいないのだが、普通であれば、進んでいる生命体の方が、こういう目的で来たって伝えようとするのではないか。滞在しながら、地球の人類がどの程度の文明を持っているかを把握するはずだし。下手に攻撃して、もし報復されるとしたらどんな兵器をもっているかわからず、地球が滅ぼされるかもしれないのに抜け駆けして攻撃するってありか?
ヘプタポッドの言語が未来を知ることができるということで円形に様式化されているらしいが、これはかなり哲学的・科学的には難しいこと。未来がわかるから現在は、どのように行動するか?未来がわかった時点で、現在の行動は変わってくる。そうなると未来も変わりそうだ。どうやっても未来は変わらないのか、現在の行動で未来は変えられるのか?運命論、カルマにも関わる考え方だ。そういった深い哲学的思索が必要になると思うのだが、この映画ではあっさりと娘を産んで、娘が死ぬという予言的な未来を受け入れている。普通なら運命に抗ってジタバタしないか?
映画としてのドキドキ感で見ることができる人にはいいが、思索したい人には評価が低くなりそう。
名作だがSF慣れしてないと受け入れにくいかも
たまに見かける、異星人と地球人との心温まる交流的なものかと思いきや、
終盤からの流れは一気にヒューマンドラマになっていて予想外の展開。
そして大泣きしました。
でも難しい。これはSFに慣れてる人でないとキモのとこが意味わからない感じで、最後まで????と混乱したまま終わってしまうかもしれないとも思いました。
これ、地球人は3次元の世界で生きていて、異星人はそれより上の次元にいます。説明が難しいんですが、我々の通常の世界では時間は一方向へしか流れてませんが、4次元となるとドラえもんのようにタイムスリップできるわけです。
この映画の場合は過去へのは触れてないので、少なくとも異星人は3.5次元より上の世界にいる。そしてルイーズは(ある意味超能力)地球人だけども3.5次元を感知できる。それは異星人の言語を習得することによって身についてしまう能力です。自分でコントロールはできないけど、自分の未来も部分的に見えてしまっています。
彼女はそのことによって地球の危機を救うわけですが、同時に自分が未来にもうける家庭で、夫とは別れてしまうこと、一人娘は難病で早逝してしまうことを知ってしまいます。
意図的に自分の感情などと異なる行動をとっていかないと未来は変わらないのでしょう。
果たして、そうなった場合に、どういう選択をするのか。
この出会いの先に悲しいことがわかってるのに、それでもその道を選ぶのか?ということです。
ルイーズは将来悲しいことが待ってるとわかっていてもその道を選びます。
いずれ別れが来ることは自明の理ですが、今このとき感じる愛情を大切にしていこうと覚悟を決めるのです。
これは異星人なんか来なくたってすべての人に通じるものがあります。
いつか別れるだろうとわかってるからあの人は好きにならない、とかできるものでしょうか?子供なんかいらない、と割り切れるものでしょうか?
明日にも災害や事故で大切な人は亡くなってしまうかもしれません。
それでも我々は出会いを大切にしていくのでしょう。
そのことを教えてくれる、SFだけの枠に収まらない傑作でした。
そして言語が武器だ、というのは、映画の中では語られていませんが、勝手な解釈をすると。
まずキリスト教圏では世界で言語が違うのはバベルの塔にも語られるように罰則であり、互いの意思疎通を難しくするための神の意志です。これをヘプタポッドが全くの異世界から、国境に左右されない言語をもたらすわけですから、この言語を世界中の人が学ぶことによって戦争も無くなるかもしれない、という希望的観測があるのだと思います。ある意味地球上の混乱に対しての最強の武器というわけです。
西洋ならすぐピンとくるかもしれませんが、キリスト教圏でないとわかりにくい側面もあるように感じました。
体験型アトラクション映画
予知夢を回想シーンのように見せる演出は見事。時間の概念が非線形という物語の核となる観念を、観客が映画を通じて疑似体験出来る構成になっている。
エイリアンの姿など難しい物はあえて映さない事で、リアリティ保つ事に成功している。
音楽のマッチングが素晴らしく、シンプルな映像でありながら、迫力も損なわれていない。
大人なSF
ある日突然やってきた宇宙人と言語学者の主人公がコミュニケーションを取るために四苦八苦する物語。
宇宙人が本当にいたとして彼らと対話することは出来るのだろうか?と言うシンプルな疑問に沿った導入。序盤に主人公が宇宙人との会話を諦め視覚言語(文字)による対話を試み始めるのに妙な納得感がありました。
とはいえ、全編通して理論立てて物語が進んでいるかというとそうでもなく、例えば主人公が宇宙船の中で防護服を脱ぐシーンでは、それまで宇宙船から帰還した後しっかり汚染対策をしていたのにもかかわらずそのまま帰還して、上司や医者と”密”になって会話していて「いや、それはちょっと危険なのでは?」なんて思うことも。
終盤、宇宙人たちの言語を学ぶことで未来を知ることが出来るようになった主人公。言語を学ぶだけで未来がわかるのかという疑問はさておき、未来がわかるようになったことで序盤にあった娘とのシーン(幼少期から若くして亡くなるまで)が過去ではなく”未来の出来事”だとわかる場面では「おぉ…叙述トリック」となりました。
そして、未来を知ることで宇宙人を攻撃しようとする他国(その役回りが中国なあたりはアメリカ視点感強かったです)を説得することに成功し物語は終了します。宇宙人との遭遇や、時間からの解放とSF好きが喜びそうなテーマとリアリティが上手く混ぜ合わさった良いストーリーでした。未来を知ることが出来ても変えることは出来ない辺りもご都合主義感が薄れてて良かったです。
ドッカンバッタンして最後は主人公ハッピーなSFも良いですが、そういったのが趣味ではない人にもおすすめできる映画です。
原作は読むな!
G20に名前を連ねる国に覇者を送り、所作を通じて独自の言語を解読するのを競争させるエイリアンのおはなしです。
何故なら彼らは3000年後に滅亡の危機に瀕する様です。
日本なら金田一先生が主人公名になるのかな? 総理 サッポロドームが浮き上がって黒くなりました!がサブタイトル。
先進国にしか覇者を送らなかったのは脚本として面白く無い。英語圏の国が多いのが気になる スキルを得た主人公は解読本がベストセラー
何だかしっくり来ない エイリアンは助けて欲しいならスキルを与えてヘプタポッド語でG13すれば良かったのにと感じた。
映画レビュー 何だから この作品レビューが重要だと思わないのかい? そこの君。
全221件中、1~20件目を表示