劇場公開日 2017年5月19日

  • 予告編を見る

「摩訶不思議なエイリアン」メッセージ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0摩訶不思議なエイリアン

2024年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

ある日突然、地球に飛来した謎のエイリアンとの
意思疎通を任された女性言語学者を待ち受ける衝撃の運命を描いた
SF映画です。
原作者は台湾系アメリカ人のテッド・チャン。
宇宙から飛来した巨大な楕円形の飛行体が地球の12ヶ所に姿を現します。
言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、7本足で墨を
吐き出すエイリアンが空間にいろいろな円を描きます。
ルイーズは段々にエイリアンの言葉を解析していき、
意志を通わせて行きます。
原作者が台湾系なので漢字や墨にある程度の知識や縁があるのでしょう。
日本人として墨が広がる様子はとても美しく親しみ深く感じました。
まったく敵意を示さず攻撃もして来ないエイリアンの真意はなにか?
彼らは何しに地球に来たのか?
各国の科学者が血眼になって研究するのですが、
ルイーズが読み解いた言葉は、
『武器を提供したい!!』
さすがにビックリ発言に各国の首脳は臨戦体制になって行きます。
でもその真意は、3000年後の地球で起こる戦いのための備え???
そんな〜準備が早過ぎませんか???
ルイーズの幼い娘の回想シーン。
それも未来のことだなんて!!
なんかサイエンス・フィクションだけどスピリチュアルな雰囲気が!!

しかし映像の独創性・・・こんな造形の宇宙船は本当に
思いも寄らない形態でした。
未だ嘗て見たことのない宇宙船を見れただけでも満足です。
そしてエイミー・アダムスの美しさ!!
気品と優しさと知性、本当に魅力的でした。

琥珀糖
Mさんのコメント
2024年4月20日

時間は一方的に流れているだけではない、という考え方が、とても優しく感じました。
長く生きていると、一つや二つは喪失感や後悔を持っていることでしょう。そんな人たちにとっては、この、「過去も未来も同時に存在している」というような考え方は、とても救われる考え方だと思いました。
「大豆田とわ子と三人の元夫」というドラマの中にも同じような考え方が出てきます。
私はこの時間の考え方がとっても好きです。

M
R41さんのコメント
2024年4月7日

この作品はSFの中でも傑作の部類に入ると思います。
宇宙人との会話を模索する主人公は、同じような夢を見始めますが、本人にそんな記憶はなく、その意味が分からないままメインとなる宇宙人とのコミュニケーションを試行錯誤します。
やがて宇宙人の語る真意を理解することになるのですが、彼女には夢で出てきた未来の夫の顔も出現します。
夢は、自分の未来の出来事を見せていたのですが、それはありふれた美しい幸せな日々と、愛する娘の難病と死。そして夫との別れ。
彼女には選択肢があります。
その悲しい結末の未来を選択しないという選択です。
しかし、それを選択しない場合、幸せもやってこないのです。
ここにこの映画の最大のテーマが隠されています。
何もない人生を選択するか、両方ともある人生を選択するのか?
この、実際怯んでしまいそうな選択を、私たちはいつも差し出されている気がします。

R41
CBさんのコメント
2024年4月4日

この映画は私にとっては「?」だったのですが、カミツレさんのレビュー欄での、カミツレさんと琥珀さん(現・グレシャムの法則さん)のやりとりを読んで、まさに目を洗われたような思いで、原作を読み、あらためて映画を思い出し、そして深い感動に浸った、という経験をした映画でした。だから、この映画について書くのは楽しいです!

CB
コバヤシマルさんのコメント
2024年4月2日

 エイミー・アダムスの成長というか進化には驚きましたね。
 終始強い女性像が描かれる監督だけに印象深いものがありましたね。
 時間を超越したSFの撮り方もさることながら人間ドラマに落とし込むあの表現は、この監督の上手さでしたね。

コバヤシマル
きりんさんのコメント
2024年3月29日

原作からこの映像をイメージできた監督や映像作家たちの その発想の豊かさに驚愕です!
三流映画監督が撮れは、どれだけつまらないB級作品になっていたかもしれませんしね。

なるほど台湾系の原作者でしたか。
声を出さない宇宙生物。
静謐な墨跡の文化から
静まって、耳を澄ませて、人類がひとつとなるべきことを、思い起こさせてくれる、
そんな気がします。
また観てみたくなりました。

きりん
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2024年3月29日

原作者が漢字や墨に造詣がある、とは新鮮な見方でした。
本当にそうかも。
この映画のおかげで、テッド・チャンに出会えて、とてもラッキーでした。
単行本が2冊しか出てない作家ですが、「息吹」も良かったですよ。

ぷにゃぷにゃ