「SFを題材にした感動もの」メッセージ 一さんの映画レビュー(感想・評価)
SFを題材にした感動もの
評価が高いのも納得の傑作と言っていい作品です。
個人的には同じく傑作と名高いインターステラーよりも良かったし感動しました。
気になった点をいくつか。。
主人公が未来で執筆した宇宙語の本のフラッシュバックから宇宙語を完全習得するのは、言語学者である主人公がヘプタポッドが去った後に研究を重ねた結果、宇宙語の本を執筆できた(つまり過去の積み重ねの上に未来がある)とも取れます。
しかし、未来での晩餐会のフラッシュバックから、中国人の将軍から個人連絡先や将軍の亡き妻の最後の台詞を教えて貰うのは、完全な0から1が生まれているという事になります。
つまり、この世界では未来はレールの上に既に確定しており、”未来の有”が”過去の無”を”有”に変える力があるという事です。
3000年後に地球人に助けてもらうためにやってきたヘプタポッドですが、過去の積み重ねが未来にとって必要なら、ああいった劇中で主人公と行った幼児の言語学習のようなじれったいコミュニケーションのステップも必要だった事になります。
しかし、”未来の有”が”過去の無”を”有”に変えられるのだから、未来の地球人を一人連れてくる(そうすれば侵略されるとか心配する必要も無く、世界の混乱は簡単に防げる)とか、主人公が未来で執筆した宇宙語の本を一冊持ってくるとかするだけで良かったとも言えます。
未来を知っているはずのヘプタポッドが爆発で一人死んだり、あえて上のような問題の起きない接触の方法を取らなかったとか、ヘプタポッドからみたら原始人レベルの現在の地球人に接触し何故2000年後のもっとマシな地球人に接触しなかったのかとか、劇中では描かれなかったので、原作を読んでみたい気がします。
最後に、ヘプタポッドと直に触れ合い授けてもらった主人公の未来予知力が、授けてもらった時点から未来だけでなく、過去にも作用して未来予知能力を最初から持っている感じになっていた点と、マイナスが見えていても受け入れるしかない未来を達観したシーンはとてもよかったです。
いつかまた見たい映画です。