「つまらないストーリー」プラネタリウム Takashiさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらないストーリー
1930年代、パリが最も華やかだったとき。アメリカ人スピリチュアリストのローラ(ナタリー・ポートマン)とケイト(リリー=ローズ・デップ)のバーロウ姉妹は、ヨーロッパツアーのため憧れのパリへと向かう。美しく聡明な姉のローラはショーを仕切る野心家で、好奇心旺盛で純粋な妹のケイトは自分の世界に閉じこもりがちな少女。ショーでは死者を呼び寄せる降霊術を披露し、話題の美人姉妹として活躍し金を稼いでいた。
一方、フランス人映画プロデューサーのコルベン(エマニュエル・サランジェ)は、新しい技術や発想で、新しいフランス映画を開発するという夢を抱いていた。姉妹にセッションを依頼し、不思議な体験をしたコルベンは、2人の才能に魅せられ契約する。誰もやったことのない世界初の映画として、姉妹の力で呼び寄せた霊をフィルムに活写させ、二人を有名にするという。
姉妹は映画撮影に臨むが、ケイトは上手く演じられない。コルベンと監督は、ローラに女優としての才能を感じ、彼女を主演に映画製作を進めることに。若き俳優フェルナン(ルイ・ガレル)との熱いキスを演じたことで、映画の魔法がローラを女優として目覚めさせる。「何もかもすぐ成功させたい。すべて欲しい」そんなローラは、野心をむきだしにしていく。ある夜、コルベンはローラに「君たちが来てから人生が変わった。扉を開けてくれた」と感謝する。
男女の区別なく火遊びを楽しんでいることを知りながらも、コルベンに惹かれていくローラ。やがてコルベンは、力があるのは妹のケイトの方だと確信し、有害な電磁波を放つ機械をケイトに使い実験をする。危険な行為にも関わらず、ケイトは協力を惜しまない。信頼関係で結ばれた二人を目の当たりにし、激しく嫉妬するローラ。そんな彼女に「君は何もわかってない」と呟くコルベン。
次第に、映画作りに狂気を伴っていくコルベンを、同僚や監督たちは狂人扱いする。そんなとき、コルベンとの危険な降霊術が原因で、ケイトは白血病になってしまう。「悲しまないで」というケイトに、まるで父親と母親のようにケイトに寄り沿うローラとコルベン。不思議と家族のようだ。様々な出来事や感情が渦巻く中、さらにヨーロッパに押し寄せている波に翻弄されていく三人。
果たして姉妹の力は本物なのか?見えない世界を見せられるのか?彼らは互いの運命を狂わせていく―。
人間関係や設定・ストーリーはわかりにくいうえにケイトが死んでしまうなど主演のナタリー・ポートマンを前面に押し出しすぎて食傷気味なエンディングに共感できない。