沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価
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キチジローのミスキャスト
作者が存命でなくて良かった。
長崎在住、一時期遠藤周作を読み漁った。なかでも「沈黙」は私にとって大切な作品。それがこんな軽いものに仕上げられてしまい悔しい。人間の葛藤の痛みと深さは原作とは大違い。
何より肝心のキチジローのミスキャストが致命的。窪塚洋介の演技では表現できなかった。
その他の日本人キャストは問題なく、ことにイッセー尾形は群を抜いて素晴らしかった。
映画でなく原作を手にとって欲しい。
もういっそ殺してあげてよ
途中、一瞬で首切られる人が出てくるけど
おそらくこの映画で一番幸せなのはこの人でしょう
そう思ってしまうくらいの凄まじい弾圧です
性的な虐待描写はなかったですが
もうただただつらい
途中からキリスト教なのに禅問答状態になるし
うまーく洗脳状態にさせるような手法も怖い
役者は全員当たり役でした
特に窪塚洋介は本当に良かった
彼がいい意味で道化役を本当に演じきっていました
この映画のロケ地を台湾にとられてしまったのは
凄まじい失策だと思う
これは長崎県で撮影して欲しかった
スコセッシはまた傑作を生み出した。
素晴らしい映画が観れた。
僕は遠藤周作の原作は読んでいないが、凄く満足出来て、この世界にのめり込んでしまった。
宗教や信仰の違いで起こる人間の苦悩や怒り。複雑な部分を上手く描いていた。
脚本もそうだが、やはりキャストの演技力。
下手だなと思った役者は一人もいない。
それぞれが素晴らしい演技をしていた。
特にアンドリューガーフィールドの演技は圧巻。
そして、この映画の特徴として、音楽が一切使われていないということ。
聞こえてくる音は、俳優の声、鳥のさえずり、足音など、自然から生み出されるものだけ。
まさに、タイトルと映画が掛け合わせた素晴らしい演出だなと思った。
スコセッシの映画はこれからも期待が出来そうです。
日本の悪の歴史
キリシタン弾圧は小学生だって授業で習う内容だけど、ここまでの残酷さは教えない。
人が人間でないような映画でした。
ただ、歴史は過ちを繰り返さないために語り継がれるべきもの。
とても重要な映画だと思います。
窪塚洋介がオーディションで勝ち取った役とテレビで見ましたが、かなり気合いを入れてがんばってました。
ただ、浅野忠信の貫禄には敵わないかな。
マイナスポイントとしては160分越えの内容のため、かなり長いです。
布教を認めたら戦争になる
やっと戦国時代が終わったのに、ここで布教を認めたら、戦争になりますよ!もしもローマ教皇が信徒達の年貢米を要求してきたら、信徒たちは領主なんかより神(教会)に対して納めたいですよ。抗争勃発します。スペイン、ポルトガルの軍事介入を招いたら最悪です。秀吉、家康はそれが分かっているからご禁制にしたわけです。
一方、映画ですが、信徒の受難シーンにはホロっときました。
国家規模のキリシタンいじめで賞
とてもとても丁寧に、
信仰とは、信仰のあり方、
人の生き様、日本の歴史、
すべて描かれていた。
考えさせられる映画だった。
場面場面が心に訴えかけてくるようだった。
キリシタン弾圧の歴史について詳しくなかったが、こんな時代があったのかと驚嘆した。嫌な時代の日本を見た。異質なものを恐れる心は、昔も今も同じだと感じた。
信念を貫くことがいかに難しいか。
曇天の暗い海と深い闇
キリスト教を知らない方には少し難解かも知れません。少しばかり宗教的な問答があります。比較宗教学や哲学・道徳的な論争もあるのですが、小説の「沈黙」は映画よりかなり突っ込んだ論争がされています。
これは遠藤周作が小説やエッセイで屡々語っていることなのですが、当時のキリシタンにはキリスト教が正しく伝わっていないのではないか、ということです。映画の中で太陽を指差す場面がありますが、あれは大日如来のことで、大日=デウス の発音が似ていることから、誤解して信仰してしまっていたのではないか、遠藤はそう語っていました。
苦しく楽しみも教養を与えるものもない、農民たちの暮らし、そんな中に不思議な説法と儀式を行う見たこともない西欧人、苦しみばかりの現世から解放されて、パライソ(天国)に行ける。彼らを惹きつけないわけがない。来世を夢見て、陰惨な拷問に耐え抜いて、やがて果てていく。
現代でも過激なムスリム達が自爆テロを起こしたりしてる。彼らのように、当時のキリシタン達は、間違った信仰をしていたのではないか。つまり「地に根付かない」とはこのことを指しているのです。
遠藤は現代の小説家では村上春樹、安部公房に次いで海外で有名な作家です。司祭が踏み絵をするというショッキングな内容にカトリックからの反発は未だに強い。本来なら、大江ではなく遠藤がノーベル賞を獲っていたはずです。スコセッシ監督が長年実現できなかったというのも、そういう意味で困難さがあったのでは。
小説をかなり忠実に再現したと思います。あと、町人や、武士の表現方法が外国人の演出らしく、面白いなと思いました。
それでも生き残った隠れキリシタンはすごいな。
故郷が長崎です。
友達にも、元同僚にもたくさんのクリスチャンがいます。
キリスト教は身近でした。
遠藤周作の原作も読んだことがあります。
長崎奉行所を再現した場所にも行ったことがあります。
隠れキリシタンの遺品やお墓を見たこともあります。
公開前からものすごく思い入れのある作品でした。
重厚感のある素晴らしい作品だと思います。
歴史を映像化するって、やっぱり大事だなと思いました。
本を読んで頭の中で想像することとはまた一味違うので。
日本人ではなく、外国の監督によってこの映画が作成されたというところで、客観的に日本を見ることができました。
「ああ、この映画、日本だけじゃなくて世界中で放映されるんだな。海外の人たちはこの史実をどう思うのかな。」と考えながら映画を見ました。
きっと当時の民衆があんなに流暢に英語を話してはいないだろうし、そもそも当時の外国語は英語ではなかっただろうし。
もっといろんな障壁がたくさんあったんだろうなと思いました。
キリスト教信者じゃない私にとっては『踏み絵』なんて大したことないって思ってしまうのに。
神様だったら、踏んだ自分の弱さだって許してくれるだろうに。
何で人を救う宗教で、人が苦しまなきゃいけないんだろう。
概ねの人が感じることと同じことを私も思いました。
キチジローに心を重ねて映画を見たので、彼が全く悪い奴には思えませんでした。
遠藤周作らしさなのかな?
映像は良くできている。日本でもよく知られた俳優がたくさん出ていて、演技も素晴らしかった。贔屓目かもしれないが日本の俳優の質の高さが感じられた。拷問の場面が多いのはあまり好意的には思えないが、主題のためには無理もないのかもしれない。キリスト教の信仰と当時の日本社会の齟齬なようなものについての解釈は遠藤周作さんや映画監督の考え方なのだろう。疑問に思える部分もあったが、色んなことを考えさせてくれる映画だった。
BGMは一切無し!だったと思う
この作品は登場人物の誰に感情移入するかによって印象は大きく変わるのだが、いつもは勿論主人公に感情移入するのだけれど、これは日本が舞台なのでつい日本人にそうしてしまった。じゃあ誰にかというとキチジローにであって、自分自身のすごく弱い部分であるとか卑怯なところであるとか、そういったところがキチジローによって具現化されているような気がして嫌な気持ちになった。彼は裏切り者のユダか或いは人間のネガティヴな部分の象徴なのではなかろうか。
主人公よりも脇を固める、リーアムニーソンや浅野忠信、そして何と言ってもイッセー尾形の演技に痺れた。大いなる葛藤を決して口にはしないリーアムニーソン、主人公にどこか友情のようなものを感じ始めている浅野忠信、そして実は何とか助けようと努めるイッセー尾形。ガーフィールドが完全に食われていたように感じた。
オープニングの、虫の音からのsilenceという演出がすごく好きだ。
素晴らしい作品だがラストシーンが残念でならない
虫の声自然の音のみの冒頭シーンで日本の「Silence」に対する深い理解を示し、遠藤周作への敬意をこめて160分をかけて原作世界を再現し、イッセー・尾形の好演からも分かるようにキリシタンを弾圧する側への理解も示したマーチン・スコセッッシの深い演出。困難を極めたであろう撮影が結実した映像美。傑作である。しかし、原作にはないラストワンカットに根源的な彼我の解釈の違いがあると感じた。残念だ。ちなみに篠田正浩版「沈黙」には遠藤周作自身が関わっているがラストシーンは全く異なる。
観終わった後、しばらく席を立てなかった。
まずは、スコセッシ監督にありがとうございますと言いたい。実際は台湾で撮影が行われたらしいが、日本の描写にほとんど違和感がなかった。「ラストサムライ」や「さゆり」のように、日本語がおかしかったり、風景が異国のように感じられたりしなかった。また、韓国や中国の俳優を使わないで、日本の俳優を起用してくれたのもうれしい。ヘラヘラしているようで、本当は怖ろしい井上筑後守、信用できないキチジロウ、素晴らしい演技を見せてくれた。自分も日本人として踏み絵くらいは知っていたが、映画に出てきた残酷な拷問についてはよく知らなかったし、まして、宣教師に棄教を迫っていたなんて知らなかった。この映画によって、世界中の人に日本の負の歴史を知られてしまうのは、恥ずかしい気もするが、一方で、あれだけ辛酸を舐めながら、信仰を持ち続けた人々がいたということは誇らしくもある。現実に長崎には素晴らしい教会が数多く残っている。ロドリゴの一生を思う時、あれでよかったのか自分にはわからない。信仰とはどうあるべきなのか改めて考えさせられた。
虫の声、木々のざわめき、風、波の音…
ハードな予告を観て、覚悟して観に行ったのですが…
3時間の上映時間があっというまでした。
確かに辛い拷問のシーンも多いのですが、それ以上に人として胸が熱くなり考えさせられるシーンが多く、観がいがありました。
一長一短に答えが出る話しではありませんが、国々の信仰心は決して押し付けられるものでは無くそれは、現在の宗教間の争いにも通ずるものが感じられ、昨今の世界的な紛争にまで思いを馳せ、改めて考えさせられる作品でもありました。
マーティン・スコセッシの作品はあまり好きではありませんでしたが、本作タイトル『沈黙』に対してのエンディングで流される“音”が監督の答えだとすると、この内容に28年こだわり温めていた思は素晴らしいと感じました。
劇場の音響がかなり重要なポイントとなりますので、是非劇場での鑑賞をオススメします。
鑑賞後、気持が落とされると思っていたのですが、言葉は変ですが爽やかで晴れやかな物が心にのこりました。
神とは
キリシタンに対する拷問はあまりにも酷いものでした…
あれこそがまさに地獄というものかと感じました
神を信じ祈り続けても何も聞こえない
サイレンスという題名はあの映画にぴったりだと思いました
リーアム・ニーソンがかっこいい!!
観てよかった
内容難しいかな、3時間は長いなーとか観るまでにネガティブだった部分ありましたが、3時間の長さは感じなかった。それほど引き込まれてしまう。じっくりじっくりと作られている丁寧で美しい映画だった。キチジローのゲスっぷりがなんともいい感じ。
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