劇場公開日 2017年1月21日

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「迫害の論理と日本主義の精神」沈黙 サイレンス ミカエルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0迫害の論理と日本主義の精神

2023年2月7日
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鑑賞方法:VOD

あまりにも古い時代の話である。17世紀、日本では江戸初期のころだ。なぜこの時代に日本でこれほどまでにキリスト教が迫害されていたか。理解に苦しむ。今の価値観で捉えれば、「踏み絵」なんて大したことには思えないが、当時のキリスト教徒にとってはこれを行うことにものすごい心理的葛藤が伴った。この時代の人々の心持ちはよほど純粋だったのだろう。宗教に迫害はつきもので、度重なる試練に直面するのはどの宗教も例外ではない。現代でいえば、創価学会。叩かれれば叩かれるほど強靭になっていき、ついに日本の政治の中枢に到達した。
「この国は沼地だ。どんな苗もその沼地に植えられれば、根が腐りはじめる・・・日本の信者たちが認識している「神」はわれわれの「神」とは違うものだ。」
今まで日本にもたらされた外来文化はことごとく日本式に姿を変えていった。近代でいえば、資本主義や民主主義。日本独自のものとなり、その風土や伝統、そして国民性に深く根ざしたものに変換され、本来の思想はあまり議論されることなく、日本流が当たり前のものと日本人には認識されている。そもそも本質はこうだと心の中で論じるのは勝手だが、郷に入れば郷に従え、その国に生きる者はその国の慣習に従うほかない。

ミカエル