「灯台守の悲しい物語」光をくれた人 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
灯台守の悲しい物語
あれだけ規則に厳格なトムでさえ、失意のイザベルにすがられたら受け入れるしかなった。もうその時点で、トムはこのあと何があろうと自分で引き受けようと心に決めていたのだろう。だから、墓前で祈るハナを見つけ、真実を知ったときから、そのあとの筋書きができていた。ただ望むのは、できるだけイザベルを傷つけることの無いようにと。それが、抜け殻だった自分に幸せをもたらしてくれたイザベルへの恩返しだからだ。
そんなトムの心情に沿って映画を観ていると、悲しいよね。
誰かを苦しめようなんて思わずに、この子を大事に育てようとして、結局、周りの人たちを傷つけてしまったのは自分の愚かさだったのだ、と自責しているようなトムが、とても悲しくて、とても立派だった。
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