「この罪の所在はどこなのか?」光をくれた人 ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
この罪の所在はどこなのか?
見ていてかなり重くしんどい内容ですw
予告編からずっしりとした内容ですが、本編はまた違った展開になった気がします。
自分は子供が生まれたばかりなので、どの人にも共感していました。
結婚し、妊娠し、子供が生まれるまでの間はドキドキ、ワクワク。服や小物を嫁と選ぶのもあーだこーだ言いながらゆっくりとその時を待っていました。
しかし今作のトムとイザベルは死産と流産と言う二度の不幸に見舞われます。
そのどん底の中海からボートに乗って赤ん坊がやってきます。
その泣き声や笑顔は天使の様で、世界中を敵に回してでも守りたいと思ったはず。
しかしながらその子供には母親がいて夫と共に海に消えた娘を探していた。
中略しますが、この作品での罪はいったい何なのか?
赤ん坊を自分の物にしようとしたイザベルか?
職務規定に背きその行動を黙認したトムか?
そもそもボートに乗ったドイツ人か?
ドイツ人と結婚したハナか?
見ながらその「罪」を見つけることはできませんでした。
たぶん自分がどの境遇にあったとしても正しい道だと感じ同じ行動を取ったかもしれない。
今作のラストは語りませんが、非常に美しいヤヌス島の情景や寡黙で多くを語らないトムや美しく勝気なイザベルのロマンチックなシーン等とても良かったと思います。
特に手紙を何度か扱いますが、メールではない温かさや寂しさが何か良いなとしみじみ感じました。
大好きなレイチェル・ワイズも老けてたけど重く、けれど温かい演技で素晴らしかったです。
ありきたりな設定ではありましたが、色々な愛を見る事が出来ました。