「燃えているのは海か?」海は燃えている イタリア最南端の小さな島 花火さんの映画レビュー(感想・評価)
燃えているのは海か?
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一足先に難民映画祭にて鑑賞。
回収した遺体を前にやるせなさを感じさせる直立不動の隊員たち。『ローマ環状線…』の変奏的要素の強い本作にあって、終盤に垣間見えたこのショットが異様に突出している。現実に起きている事態との関連も勿論だが、それ以上にここまで必死の救助、加えて生きながらえた者たちの顔が写されたからこそ、より迫ってくる。最前線に立たされた彼らにとって、死を前に感覚が麻痺するなど有り得ないのだ。燃えているのは、砂漠の飢えや監獄の暴力から抜け出そうとする難民たちの命、人として当然のこととして助けようとする人々だ。
その他暗闇を切り裂く光(パチンコで遊ぶ少年や海に潜る男が手に持つ懐中電灯/難民を捜索するヘリのサーチライト)が蠱惑的に捉えられている。
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