牝猫たちのレビュー・感想・評価
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デリヘル「極楽若奥様」に集う3人の女
脚本が秀逸。
日活ロマンポルノ・リプート・プロジェクトの一編。
白石和彌監督の裸になる女性への優しさが、
人間への優しい視線が美しい秀作。
性風俗を描いて裸の人間が浮かび上がる。
ロマンポルノという枠組みが最大限に生かされる。
流石の白石和彌、たった1週間の撮影でこれだけの結果を残す職人。
デリヘル「極楽若奥様」に集う3人の30代の女性。
店長の音尾琢磨・・・デリヘル店長にしか見えない寄せ方。
3人のデリヘリ嬢は特に影がある訳ありではない。
普通の女たち。
シングルマザーの里枝には5歳の息子がいて、
ベビーシッター(若い男性)にたびたび預けている。
この子がいじらしい。
シッターの男は里枝を終始責める。
「親の資格がない・・・」と。
貴子は良家の若奥様風。
妻を亡くした老人にセックスなしの癒しを求められて、
ラストには無理心中を迫られる。
修羅場だ。
結衣は所有するマンションに10年引きこもっている中年に
良く呼ばれる。
男はピザの宅配を常食として後はネットの検索と、炎上を企てて
暇潰しをしている。
結衣には好意を持ち、「極楽奥様」の炎上を企てて、結果として「極楽若奥様」
は警察の摘発を受ける。そして廃業に追い込まれる。
女性たちが客に対して常に敬語を使い僕のように振る舞う姿。
奥さんてのは威張っていられるし、夫と子供なんて
命令系統だし、主婦は3日やったら辞められない。
カード破産したのかネットカフェに寝泊まりする貴子。
やはり人生の場末感は強くて、深く染まると、
抜け出せない場所なのかも。
3人のデリヘル嬢
10分に1回の濡れ場、「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の一作。
白石和彌監督作品『凶悪』(2013年)、『日本で一番悪い奴ら』(2016年)が好き。今作の後に公開した監督作品『孤狼の血』(2018年)も好き。『死刑にいたる病』(2022年)は、そろそろ再視聴しようと思っている。『碁盤斬り』(2024年)も観たい。
今作は池袋が舞台。
3人の女性に焦点を当てている。
3人の女性の勤め先であるデリヘルの裏側にも触れ、ケンタという幼い子も登場し、奥の深さがある。
様々な人が特定の人になつく。
なかなか引き込まれるストーリーであった。
深いね
様々な客とタイプの異なる風俗嬢の心情をしっかりと描かれていて、いろいろ考えさせられる作品。
良い作品とまでは言えないけど、
誰もが嫌な気持ちにはならないんじゃないかな。
観終わったあとの感想としては、
「それでも生きていかなきゃいけないんだよなぁ」
ロマンポルノの湿度で撮るべき素材。
ネトフリ初見。
支持。
寧ろ令和にこそロマンポルノの湿度で撮るべき素材が有ると知った。
高純度に点描される高濃度で池袋な三つの人間讚歌。
寄る辺無く、だが、だから底抜けに明るい、ブツ切りの群像。
結果皆が儲け役。
劇場で見ねばだった。
目下白石和彌の最高作か。
あ、リリィシュシュの子だ
個人評価:3.6
娼婦達の群像劇。
作品性が高いテーマを秘めているが、やはりテイストは日活ロマンポルノの枠組みであり、そこも好感は持てる。
女優達の演技も決して上手くはないが、気取らない演技で、リアルに感じるシーンも多々ある。
白石和彌監督らしい雰囲気は薄いが、Vシネマとは一線をはくす作品ではある。
単純で明快
メスでも雌でもない、牝という字。
単純でより動物らしい女性たちなのかなと。あくまで文字のみのイメージですが
映画の内容も単純。
池袋で性を通して生を感じる女性たち。+α
腹立つこと悲しいこと、嬉しいこと色々ありますわ
それでも丁寧にサービスを頑張る女性たちを本当に尊敬する。見習います。
お金を支払われる側、支払う側でも
明日を生きていくために性を感じなきゃね
出てくる人物みんないい。
特にベビーシッターの男性。
部屋が汚い、シングルマザー相手に個人商売やってる、延長されたらきっちりお金をとる
こんな人でも意外と優しいところはある
伝わらないし諦めてパチンコ行っちゃったけど、
偽善とよばれるその小さな正義と優しさは持ち続けてほしいな〜
共感が持てる場面が多かったです
この映画の素晴らしさは、現在の比較的底辺の社会を反映した群像劇ということではないでしょうか。男性の側は部屋にひきこもるネット依存の青年、独居老人、女性の側はネットカフェな難民、シングルマザーや児童虐待などが交じり合っていて、その部分の描写にとても共感が持てました。これがあるからセックス描写が活きています。
デリヘル嬢の心理の不安定と不機嫌さと、ときにモヤモヤした感じも上手く描けています。これは都市部で接客業にいると実感できます。演じている女性の体型が比較的スリムな気もしますが、グラビア系の女性よりもリアリティーを感じました。今はAVがあるので、映画ではセックス描写を延々と映されるよりも、背景やストーリー性の部分は重要だと思います。この作品は、どちらかといえばミニシアターのR18の外国作品に近いですね。
猫の生き方
デリヘルの群像劇
主人公たち三人組はそれぞれの生き方をしていて個性的だが、ちょっとテーマやメッセージを詰め込み過ぎたような印象。
一人は好意のある常連客にもっと踏み込んでもらいた思う
一人は自分に手を出さない老人の事を深く知りたい。
一人は子供も一緒に面倒見てくれる相手を探している。
仕事と割り切っているものの、いつの間にか相手が気になり深く知りたいと思うのだが、その先に待つのは悲しい現実だ。
猫は自由に家々を渡り歩く、それぞれの家で愛されるがいざ腰を下ろそうとすると嫌がられる。
猫はたまに来る位がちょうどいいのかも知れない。それらを主人公たちに重ねている設定はいいと思った。
ただ物語としての現実感はあまり感じられず、感情移入は出来なかった。
一番最初に「すべての牝猫たちに」のテロップが出るのだが、もしこの作品をデリヘル嬢達が見たらどう思うだろうか。
あるあるネタだと共感するかも知れないが、現実問題、客の事を思って複上死させたり、子供の面倒を見てもらえそうだからと
薬物所持者と家族になろうなどと考えるのだろうか。はなはだ疑問だ。
ロマンポルノだし深い意味なんて無いと言われればそれまでだし、彼女たちの選択もありえるのかも知れないが、自分には納得できなかった。
店を潰した男も何の制裁もないのが気になる、あの手の店は後ろにヤクザなどがついてると思うのだが、平気で次の店を出す気でいるので
すっきりしなかった。
ネットで炎上しようが、店潰そうが関係ない素振りの男の態度に腹が立つと同時に図太さとたくましい若干羨ましいと思った。
テーマが多い割りに回答が丸投げなのであまり身になる映画ではなかったように思う。
劇中セリフより
「自分の体温で傷つけてよ」
本人が目の前に居るなら客観的ではなく主観的に物事を見なくてはならないと思った。
ストーリーにも濡れ場にもそこまでのめり込めず
今までリブートプロジェクトを三作品鑑賞したが、一番ストレートな作り方の映画。ロマンポルノというより濡れ場の多い映画っていう印象で、あまり官能的ではなかった。ストーリーは悪くなかったが、もう少し緊張感を感じさせてほしかったかな。ストーリーと官能のバランスって難しい。
牝猫
僕は基本的にエロは芸術にはなり得ないし下品で生々しく不快なものだと思ってるので、今までの作品でポルノという観点では一番シックリきた。
福岡に旅行に行ってて“一度行ったら他店では満足できない”という評判の店に朝から行列が出来ているのを見た直後だったので、余計に胸に来るものがあった気がする。
この不快さ不穏さこそがポルノ映画だと思う。
16
男性目線の、まがい物の群像劇
見ていてもやもやする映画。デリヘルで働く、それぞれ違う悩みを抱く三人の女性を描く群像劇を作るつもりだろうが、誰の人生にも深入りできていない。
シングルマザー、ネカフェ難民、不妊症、浮気の夫、児童虐待、小説家志望者、引きこもり、独居老人、売れないお笑い芸人、緊縛やSM。色々な要素を取り入れているが、どれも活かし切れていないし、描き切れていない。それぞれ違う苦しみを抱いているように見えるが、どれも血肉を持たない、類型化された苦しみ。社会構造の問題や、人間の業など、深く掘り下げるような映画を期待していたが、期待はずれだった。
デリヘル嬢という社会的弱者を、暗い話としてではなく、コメディチックに描こうとする意図は、あるいは評価できるところかもしれないが、それも見方によっては大衆に媚びへつらう手法と捉えられる。良い題材なのに、非常に残念。
愛と生と死を描いたポルノ
デリヘルで働く3人の女性を描いた物語。ロマンポルノとして作られているので、カラミのシーンは多い。でも、AVが普及しているからかあまり興奮はしない。それでいいと思う。
いびつだけど、きちんと愛と生と死に向き合っていた。若干コミカルなシーンやBGMはロマンポルノとしてのご愛嬌なんだろう。
ムムム。
人生初のロマンポルノ。
ロケ地が池袋だったので、リアルな感じで楽しめました。
西口、東口がごっちゃになってたりして、ひとりほくそえんでました。
まぁまぁな作品かと思いますが。。。
ロマンポルノの楽しみ方がいまいちわかってないですかね。
期待していた
大好きな監督の1人白石和彌監督なのでとても楽しみにしてた作品。井端珠里もグッドストライプスを観て、何て艶っぽいし綺麗な子なんだと思っていたので2人のタッグはまず嬉しいポイントだった。吉村界人がでてたのも嬉しかった。
最初から最後までちゃんと面白かったけど
少し物足りなかったのが本音です。
「日本で一番悪い奴ら」はお金を幾ら積んでも足りねーぜ!ってぐらい面白かったから、かも。まぁ別ものだからあとは好みの問題なのでしょう。(でもこれがR18なら日悪の方がよっぽどR18でしょ!笑、と思った)
面白い映画撮る監督の共通点って、出てる人がベテランだろうが新人だろうがおじいさんだろうが演技未経験の芸人だろうが、きちんとひとりひとり輝いてるところ。そういうところ本当凄いし観てて変な安心感があって、信じて観てられる。
白石監督にもっともっと色んな俳優さんたちで沢山映画作って欲しい。もっと観たい。
井端珠里を見る映画
ロマンポルノリブート作品は他の前2作品もみたけど、ストーリーが別格にいい。さすが白石和彌といったところか。
俳優もいい、女優陣は特に井端珠里が別格にいい。
大画面に耐えうる美しさと演技力が他のふたりよりも群を抜いていたからちゃんと彼女が主人公として纏まった作品になっていたように思う。
彼女がひとりで彷徨うシーン、路上に腰掛けてるシーン、車窓から外を眺めるシーンはとても印象的。
間違いなく売れるんだろうな、この女優。
音尾琢真も素晴らしい、『日本で一番悪い奴ら』の役よりも全然よかった。
胡散臭さの権化たるや。だがマサコとの絡みでは本当に色っぽくてよか。本編ではあのふたりの絡みがすごくよかった、エロいのに面白かった。笑
レビュー見てたりすると、この作品が物足りないひとはAVを見ればいいし、
アテレコで声が画特にずれてるのは意図であろう。だってこのご時世そんなのいくらでも合わせられるに決まってるじゃん。でもそうしなかった、味や歴史の情緒がそこにあるんだとスタッフの意図にも感服。
日活ロマンポルノへの敬愛を感じる。
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