「「執念」の映画」アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男 j939vさんの映画レビュー(感想・評価)
「執念」の映画
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大勢のユダヤ人をガス室に送り込んだアイヒマン、彼はナチス崩壊後にアルゼンチンに潜伏しており、逮捕するには難しい状況だったが、国家反逆罪に問われるリスクも犯しながら一人のユダヤ人検事があの手この手で網を張り、裁判にまで漕ぎ着けるー
なんといっても彼の演技が良い。ナチスの大罪を憎み、責任を追及することに、文字通り人生を掛けた検事の執念がリアルに伝わる。まるで目の前で当時の捜査を追っているようだった。
この映画の中でもう1つ印象に残った点が、彼と彼を慕う部下が同性愛者であったことが物語で大きく取り上げられていること。部下が弱味を握られる場面、二人が心を通わせる場面など、同性愛なくしてこの物語は構成し得ないのだと思うが、ユダヤ人削減という、いま考えるとあり得ない考え方と、いまも尚偏りのある同性愛への理解という2つが重なりあっているように感じられた。
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