「まあまあかな。」KUBO クボ 二本の弦の秘密 胡桃餅さんの映画レビュー(感想・評価)
まあまあかな。
序盤の折り紙のアニメーションは見ごたえあり。もっと見ていたいと思ったほど。あのワクワク感は半端ない。
この折り紙のシーンだけかと思っていたら全てが(背景はどうかわからないけど)ストップモーションだと知ってびっくり、ずっとCGだと思ってた……
この作品のテーマを一言でいえば「家族愛」。
なので、ラスボスが生き残るのはまだいいんだけど(でも正直最初は困惑した)、両親が記憶を取り戻してから死亡するのが早すぎる。
タイトルの「二本の弦」に大きく関わるイベントだから、どのみちあの展開は避けられないんだろうけれどせめてラスボス戦まで生きていてくれてもよかったのになあ、と。
尺の関係もあるのだろうが、終盤駆け足感が否めないのが残念だ。
ちなみに猿とクワガタの正体は結構早い段階で予測できる。
人によってはベタに思うかもしれないけれど、自分は無駄に登場キャラクターを増やして要らない子を作るよりよほどいいと思う。
(それにしても何故にクワガタ。日本昔話風なのだから犬とかでもよかった気もするんだが。もしくは虫縛りなら蜘蛛とか(でも蜘蛛は日本内外でもあまりいいイメージがなさそうだから、その線はないか)。きっと制作陣のイメージがサムライっぽい生き物=クワガタだったんだろうなあ)
制作スタッフは「かぐや姫の物語」を観たんだろうか。母親の一族の設定でそう感じた。
一部の建物が中華風なのが気になるという意見があったが、自分はあまり気にならなかった。だって母方の一族は明らかに人間とは別の種族っぽいし、基本的な感性や文化が違っていても不思議じゃないから。
それはそうと「月の帝」は名前に帝と付くぐらいだから、支配する民草が多数いるのではないか。クライマックスで何故兵を差し向けるのではなく側近を付けることもなく自ら一人で赴いたんだろう。あくまで孫と戦うつもりはなく連れ帰るために出向いたのであって、逆らったからちょっとお仕置きするつもり程度だったのかもしれない。
そして最後月の帝がああなってしまって、残された民は相当混乱しているんじゃないかと気になって仕方がない。まあ多分これは気になる自分が悪いんだけれど。
なんだかんだ言っているけれど、自分は途中退屈で眠くなったりとかはなかったので、それなりに楽しめたのだと思う。
まあ良作かな。