「クエスト絵巻」KUBO クボ 二本の弦の秘密 Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
クエスト絵巻
アメリカでの公開からだいぶ遅れての日本での公開
最初は日本を舞台にしたストップモーションアニメでアカデミー賞にも食い込んでいたなぁ というぐらいの印象しかなかったけど予告でただならぬクオリティの高さを予感し鑑賞
宣伝でも全面に押し出されているように、まずはとにかくストップモーションアニメとしての技術力の高さにただひたすら関心 繊細にキャラクターの心情を描写する微細な動きから、スペクタクルなアクションシーンまでとにかく 人形でここまでできるのか… と驚きの連続 もちろんCG的処理もふんだんに使ってはいるんだけど、あくまで映画全体を貫いていたのは 人形劇 としての手触りになっててとても良かった
世界観については主人公の下の名前が思いっきり苗字っぽい クボ だったりすることもあり、海外映画にありがちな勘違いジャパン的なものかと思ったけど、いざ見てみると気になるところはほぼ無し 日本を正確に描写する というより この映画に適した世界 を作り込むのに余念がなかった印象で、キャラクターが居心地悪そうにしてる場面は皆無だった 正確かどうかよりもまずはそこが一番第一だと思うのでこの点も文句なし
ストーリーは 絶対 と言っても良いぐらい間違いなく高畑勲の かぐや姫の物語 からの影響がある内容で、生きることの厳しさや不安とクボが向き合いながらも、これからも自分の物語を続けることを宣言するラストはスッキリと気持ちよかった
不満点としては、個人的には少し 世界の広さ が伝え切れてなかったような印象があった 景色はたくさん変わるんだけど、人物相関図が結局全て半径5m以内で済んでしまってるような話だったので、大変かもしれないけど旅先で出会う人々とかのキャラがたくさんいても良かった気がする
とにかく ストップモーションアニメの中でも間違いなく早々お目にかかれないレベルのスペクタクルが詰め込まれた映画であるのは間違いない
とても大満足