劇場公開日 2018年7月20日

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「原作ファン虚化、歴史的大赤字おめでとう。」BLEACH こむらがえりさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5原作ファン虚化、歴史的大赤字おめでとう。

2018年8月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

寝られる

観てから1週間立ち直れない程の駄作でした、やっと感想書きます。

福士蒼汰と杉咲花の演技が下手、特に杉咲花はビジュアルも酷い。二重アゴのアップに耐えられない。滑舌悪くて字幕が欲しい。

福士蒼汰はフォーゼから成長してない。吉沢亮と真野恵里菜のフォーゼ同窓会組は役者として成長しているのに、いつまで経っても上っ面の壁ドン主人公演技。

脚本は矛盾たっぷりなオリジナルをぶち込みつつ、「原作知ってるんだから自分で補完してね、察してね」祭り。
人間関係を補強するシーンが薄いのに、話の流れ先行でキャラを動かすから、感情の変化に付いていけず観客が置いてきぼり。ラストのルキアが一護から死神の力を強制的に奪い返すシーンは、「私が帰る為に貴様が戦え!」と理不尽を押し付けていたのに急に泣き出すから完全にサイコパス。ルキアはヒステリーなキャラですがこれは改悪しすぎ。

脇役の台詞も一心の「惚れた女はお前を護って死んだ、それが誇り」に表れるように、人間味が無く、映画の中で登場人物が生きていないまるでダメな脚本。
普通、親が生き残った息子(看病するシーン)にこんなこと言わないでしょ、とドン引き。

BLEACHは敵味方含めた群像劇で、主人公:一護がいないところで話が加速するかわりに、周囲のキャラとの関係が一護の物語性を強化してくれる作り。
それが初期の織姫・チャドのエピソードを削ったことで、一護は映画中「反抗期イキリマザコン」に成り下がってしまった。
そこに加わる「理不尽ヒステリー女」のルキア。終盤までの関係性を密にするはずのパートが、ただ喧しく言い争うだけで観客に多大なストレスを与える。
苦痛の前半~中盤。

アクションが絶賛されている(告知いわく)ようだが、殺陣が情けない。
唯一まともに殺陣ができるのが吉沢亮(石田雨竜)、弓使い。特に早乙女太一は殺陣のみっともなさと体型の貧相さが相まって絶句。

ヘロヘロの殺陣をワイヤーとVFXで誤魔化してCGで更に粗隠し。バトルシーンは纏まりがなく、何を魅せたいのか一貫性に欠ける。

残飯(クソ映画)にキャビア(最新技術)かけても残飯。

背景も作り込みが雑多で、決めの白哉の後ろに「某牛丼屋」の看板に似たものが写りこんだ場面は完全にギャグ。衣装も死覇装の草鞋&白足袋が大工の地下足袋になっていて、空中から斬りかかる恋次が高所から降りてきたドカタ。完全にギャグ。

ルキアが尸魂界に戻り一護の死神代行時の記憶が消え、ルキアモノローグ「貴様と会うことはもう二度と無い………のか(すっとぼけ)」タイトル『BLEACH死神代行編』ドーン
に絶句。このクオリティーで続編やるつもりなの!?まず「……のか?」って何、クソ滑ってるけど。クスッとさせるつもり?ここの杉咲花の演技と滑舌が酷い酷いお遊戯会。

失敗点は「るろ剣」の二匹目のドジョウを狙ったところ。るろ剣は主人公:剣心の人斬り時代の禍根が物語の根幹でぶれない軸。ストーリーは剣心主体で進む。役者も若手はきちんと殺陣の出来る者を起用し、ベテラン勢が脇を支えて演技の上で深み(説得力)を持たせている。登場人物たちは映画の中で生きていた。

BLEACHは前提条件から違う。主人公は巻き込まれ型、役者は話題性重視、アクションはごまかしと粗隠し。二匹目のドジョウとはならなかった。
劇場では来月公開の銀魂2の予告が上映前に必ず入るのだが、BLEACH本編より銀魂の予告のほうがよっぽど充実している。全てにおいて本作は銀魂及びるろ剣の下位互換。

楽しみに待っていただけに、失望落胆がすさまじく、胸の辺りに穴が空いたようなむなしさ、虚無感、虚脱感でしばらくは映画の話をしたくなかった。ハガレンのように怒りが沸くわけではなく、記憶から消したい、無かった事にしたい、それほどまでにボロクソの中身を伴わない、予告がピークの映画だった。

感想が好評と聞いてすぐさま、口に出すのも苦痛な観客が何も言わない結果だと思い至り、今回、正直しんどいが批評している。

観客の心に大穴を空け、虚ろな生き物にしてしまう実写BLEACHのリアル虚化。
1,800円払ってこんな悲劇を体験する人が少しでも減ることを切に願う。

余談だが自分が観た会場(23区内)では観客6人、うち4人が真野恵里菜目当てのアイドルヲタだった。アイドル出せば固定客付くんだなあ、感心。真野恵里菜、5分も出てないけど。

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こむらがえり