「怪獣映画ではなくラノベアニメ」GODZILLA 怪獣惑星 舞屋龍司さんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣映画ではなくラノベアニメ
これは怪獣映画ではありません。
昨今のハーレムアニメをそのままCG映画にしたような内容です。
ゴジラではなく人間を物語を主体に当てています。ゴジラが暴れるところが観たい!という人はきっとがっかりするでしょう。
今回のゴジラは、今までのように放射能災害の化身ではなくただの巨大なモンスターとして描かれています。
今までのゴジラは人間が豆鉄砲のような攻撃を加えても意に介さなかったのが今回は恨みでもあるのか一人一人に至るまで積極的に殺しに来ます。
見慣れないものを見つけたらとりあえず熱線吐いてくる様は生物として違和感を感じざるを得ません。
また、この映画最大の特徴として登場人物に魅力が全くありません。
脚本家が某巨人の漫画にでも影響を受けたのか「駆逐!駆逐!」としか言わなかったり「地球が覚えていてくれた!」と突然スピリチュアルなこと言いだす情緒不安定な主人公。
意味深なポエムしか言わないBL漫画から出てきたような相棒。
空気なヒロイン。
そして、主人公のやること為すことを全て褒め称える仲間たちは、とてもうすっぺらく、むしろ不気味さえあります。
シナリオも主人公の都合よく進み、撤退を主張する司令官とゴジラの駆逐を主張する主人公が争った後は、司令官の役目は終わりとばかりに司令官が死にます。
その後、全権を引き継いだ副指令の相棒が、そのまま大好きな主人公に全権を引き渡ます。ゴジラを倒すどころか撤退すら難しい状況でゴジラを倒そうと演説を始めたときは日本赤軍のリーダーを思い起こさせ寒気を覚えました。なにせ倒した後のことはまるで考えてないんですよ。ゴジラ以外にも怪獣がいるのに。お前の復讐のために他人を特攻させるな、と。そのくせ司令官代理のくせに責任ある立場の自分が特攻しようとします。もう何がしたいの?
ゴジラを倒すための作戦で、戦術ではまるで素人の私が予想できたアクシデントを「想定外だ!」と慌てていたのはコイツら馬鹿かと失笑しました。何を目的に襲ってきたか不明なミニゴジラたちが作戦を邪魔してくることに気づかなかったのか?本当に?誰も?私ですら気が付いたのに?
作戦終了後、エンディングの後に短いムービーが流れます。負傷した主人公を原住民が介護するのですが、これまた少女なんですよね。この時、「あぁこれはゴジラではなく、ハーレムラノベアニメなんだ」と確信しました。部隊仲間のヒロインと原住民のヒロインの間に揺れる恋愛模様とかあるんでしょうね。クッソどうでもいいです。
続編もあるようですが絶対見ません。