劇場公開日 2017年8月25日

「良作」きみの声をとどけたい Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0良作

2017年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

 とても素敵な雰囲気にまとまった、良い感じの作品です。
 些か特徴のあるキャラデザインですが内容や雰囲気にも合ってますし、それぞれのキャラの個性の色分けもハマってましたし。若干ベタな展開と有りがちな流れも、こう言うネタだからこそ寧ろソレを意図的に崩したりするとバランスを欠いたり取っ散らかったり、共感し難かったりしかねないので、コレでいいと思います。カエルのアクセントも良かったです。
 オーディションで選出された新人声優も、三森すずこ他第一線で活躍するプロに引っ張られるように、ぎこちなくもナントカ巧く演じきれた様子。この辺は監督ほか制作陣が遠慮することなく指導できたからなのかも知れません、憶測ですが。

 作品の良い所は他の方の意見に同意すること多々なので、個人的に疑問に思ったり若干惜しいと感じた事は以下の通りです。
 12年もの間閉めたままの店舗がたまたま鍵が開いていたとは言え、雨宿りと称して中に入っていじくり回すのは、観客に些か突っ込まれそうなので、もうチョッと説得力のある台本が望ましいと思いました。
 この作品のキーワード『ことだま』ですが、これはワリと世界的に存在する〝思想文化〟でして、今の御時世些か廃れた感を受けます。なので、その辺の説明を野沢雅子が中の人を務めるお婆ちゃんあたりに、もう少し語らせた方が良かったかも知れません…
 まァそれらは個人的に感じた瑣末な事で、それはさておき上出来・とても良い作品だと思います。

※文中敬称略

Geso_de_Nyoro