ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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前作同様耽美的な映像
Blade Runner2049日本で昨日から公開されやっと観てきました。
本国アメリカでは10月6日に公開され早く観たいと願っていた。
Blade Runnerは僕が学生の頃に公開され当時はそれほど話題にもならなかったのを覚えている。
しかしあの映画を見た途端ショックと共に僕の中に入り込んでしまった。
ビデオ、DVDそしてBlu-rayになりバージョンも映画公開から色々と発表された。
耽美的な映像そしてヴァンゲリスの素晴らしい音楽。
近未来はこうであるはずだと思わせる説得力がそこにはあった。
そしてあの映画から30年が経って続編が作られるしかもリドリー・スコットが関係していると聞いた時には本気か⁉︎と思わず思ってしまった。
オリジナルを超える事は出来ないだろう。見てしまってガッカリしちゃうんじゃないかと。
しかし同時に早く見てみたいという気持ちが発表から今日まで僕の中で日増しに大きくなった。
デッカードはレプリカントなのか?
レイチェルと逃亡の果てに何が待ってるのか。
その答えは得られるのか。
謎は謎のままでいいんじゃないのかと思う自分もいた。
監督が当初予定されていたリドリー・スコットからドゥニ・ビルヌーブに変わりリドリースコットは総指揮になると聞いた時あのBlade Runnerの世界観がどうなるのか不安で仕方なかった。
しかしドゥニ・ビルヌーブ監督作品である『ボーダーライン』『メッセージ』を見てこれは期待しても良いのではと思うに至った。
そして本日やっと鑑賞してきた。
映画が始まりどんどんとあのBlade Runnerの世界観に入り込んでいく。
オリジナルのBlade Runnerから30年後の世界。
益々世界は荒れ果てている。
耽美的な映像の連続。
ヴァンゲリスの音楽を彷彿とさせる曲が映像に追従する。
往年のリドリースコットの光と陰の効果的な映像がドゥニヴィルヌーブ監督によって映像化されている。
オリジナルのあの猥雑感は薄れている気もするが良しとしましょう。
圧巻なのは捜査官Kを演じたライアン・ゴズリングだ!
レプリカントの捜査官を演じその表情や佇まいにレプリカントである事の彼の悲哀。
自分はどこから来てどうして生まれなければならなかったのかと問い続ける気持ちの表れが演技に現れている。
人の手によって作られた偽物の生命。
しかしレプリカント達は感情もあるし葛藤もある。
生命とは何なのか常に問われる。
仮初めのメモリーで自我を保つ彼らはロボットなのかそれとも新しい生命体なのか?
そしてAIは人格が宿るのかAIは生命と言えるのか?
レプリカントである彼らから新しい命が生まれる。
その命は人間とどう違うのか?
最近のリドリースコットの作品を見ていると神とはそして生命とは何かという命題が根幹に流れている。
今作もその思想哲学を一層厚くし見るものに問いかけてくる。
映画はミステリー要素が半分以上占めているストーリーがまた良いですね。
ハリソン・フォード演じるデッカードが登場しストーリーもどんどん展開していきますが昨今の派手なドンパチはなくしっかりと見せてくれます。
163分という長い映画ですがBlade Runnerファンにはニヤリとさせてくれるカットやガジェットが散りばめられ楽しませてくれる。
一般的なエンターテイメント作品とはやはり違いかなり人を選ぶだろう。
オリジナルのBlade Runnerとはまた違うが新しいBlade Runnerの世界が作られた気がした。
本日『ブレードランナー2049』2回目の鑑賞をしてきました。
初回鑑賞の時より落ち着いて細かいところまでチェックしながらこの作品がどういう構図で作られてるか見てきました。
先ずは映像から思うところを挙げてみようと思います。
出たしから絵画的な映像が続きます。
人工農場でのシーンですがサッパーの部屋の雰囲気とか明かりの使い方がアンドレイ・タルコフスキーの『鏡』の様です。
この作品はオリジナルのBlade Runnerの光と影の使い方をドゥニ・ビルヌーブ監督により荒々しい前作より繊細な表現に仕上げてきた感があります。
光と影に加えて今作は水の使い方がタルコフスキーの表現に影響を受けているのではないかと感じました。
タルコフスキーの『ストーカー』『ノスタルジア』『惑星ソラリス』という名作の美しい表現を再現しようとしたと思います。
映画は絵画的であり多彩な絵画が映像から読み取れますね。
デッカードを探しにラスベガスに向かった“K”ですがそこは赤い砂漠とかして砂が霧の様に舞っています。
ラスベガスにある建物には色々な絵画が飾られてます。
ターナーやバルチュス(たぶん。遠くて分からなかった)やラファエッロかダ・ビンチ?ミケランジェロ?この辺は色々な絵画の影になっててわからなかったがルネッサンス期の絵画が教会と切っても切れない関係がこのブレードランナーという作品にキリスト教との関係を示唆してる様に思われます。
赤い砂の霧はターナーの空気遠近を感じさせますね。
デッカードが拉致されウォレスとの対面の場面はカラバッジオの絵画の様に光と影の対比が素晴らしくそこで語ったウォレスの言葉。レイチェルを聖書に登場するラケルと言った。Rachelはラケルと読む。
ラケルはヤホフとの間にヨセフを産んだ。
この事からもこの作品が聖書にヒントを得ている証でしょう。
レプリカントが人類に変わって新しい生命を繁栄させていく。
人類は新しい生命を生み出し新たなる生命体に取って代わるのか。
ここまで書いてきてこの作品は映像や言葉に色々なヒントが散りばめられている。
だからこそレジスタンスが登場するシーンは多分に説明的でありあのシーンは僕的には要らない気がした。
あのシーンももっと示唆に富んだ表現が出来るのではないかと思わずにはいられない。
ブレードランナー2049を客観的に見ることが出来たのではと僕なりに思いました。
また何度も見直してもっと深く探っていくのが楽しみな作品だ。
孤独な男が共感を得るまでの物語
この映画から得られる教訓は、自分の存在を認めてくれる「何か」を探す行為に拘泥してはならないということだ。その行為に身を投じれば道を誤りかねない。誤りとは、共感のない相手に対して自らを売り渡すことだ。たとえ自分の存在を相手から認めてもらえたとしても、そこに救いはない。真に探すべきことは共感だ。共感だけがこの世の救いだ。
この映画の全ての登場人物は、「求められて生まれてきた存在」にこだわっている。しかし、自分の存在を認めてくれる「何か」を探し続けたKだけが、そんなものに意味がないということに気づいてしまう。そして、Kだけが本当の悟り(救い)を得る。映画の最後でやっと、彼は共感を得る。彼は救われ、満ち足りた表情で死んでゆく。デッカードが彼に共感を与えたのだ。
物語の構造自体はブレードランナーと同じなんだけど、2049の方がより純化されている気がする。だから2049の方が好きなんだよね。
よし、とする。良かった!
天麩羅うどん食べたかったのにそばメシかよ
成田のIMAXで
続編のわりに…
実はこの監督の前作メッセージが、自分にはさっぱりだったため、ほとんど期待ゼロで、でもブレードランナーという歴史的な名作のノスタルジーに浸りたくて映画館へ足を運んだ。
酒を飲み、匂いを嗅ぐ一連の人間臭い仕草に、ほんのりと嘘くささを漂わせるゴズリングの演技が秀逸な冒頭から、どんどん引き込まれてあっという間に2時間40分強が過ぎていく。
終盤、ある事実を知って落胆するゴズリング演ずる捜査官に、掛けられる慰めの言葉がいい。
『自分だと思ってたのね。そうなのね。みんなそう。自分がその一人だと思いたいのよ。』
前作がアイデンティティの模索であったとすれば、この続編はアイデンティティの確立だ。その明快さにブレードランナーらしからぬものを感じはするが、幾多の続編よりもはるかに味わい深かった。
映像が素晴らしい映画
映像が素晴らしいから映画館で観る価値があったかもしれない。
■良かった点
・映像がとにかく美しい。音の感じも相まって、映画の中に吸い込まれるような作品だった。
・まるで数十年後の世界(暗い感じだけど)を見ているかのような感覚だった。
■残念だった点
・ちょっと中だるみ感があったかな。時間が長い映画だから仕方がないのかもしれないけど。
思想から哲学へ
かなり映画してる作品
続編もリピート鑑賞必須!
優れた映画を観た時に感じる「幸せ」を心の底から味わう事ができた。
エンドロール時にはその余韻で涙が止まらなかった。
1作目にあった近未来へのワクワク感を感じさせるアートなビジュアルと音響、SF映画としての深みは今作にそのまま受け継がれさらに進化させる事に成功している。
これは映画館のデカいスクリーンと大音量のサウンドで鑑賞してこそ味わえるものであり、こーした要素もまさにこれぞ映画だよなと痛感した。
ストーリー展開もシンプルでありながら演出に深みがあり、長尺作品でありながらじっくり感情移入できラストまで引き込まれっぱなしだった。
続編の本作でも前作同様「謎」な部分が提供され、これまた何度も観ていろんな妄想をいだかせてくれる魅力も満載だ。
1作目はSF映画の超名作であったわけで、その続編の監督をやるというのは相当なプレッシャーがあったと思われるが、それを乗り越えてこのクオリティを出せたドゥニビルヌーブ監督はリドリースコットの後ろ盾があったとはいえ、見事としか言いようがない。
映画を好きでよかった、「ブレードランナー」と出逢えてよかったなと、つくづく思わずにはいられない。
JOE & JOI
前作の30年後、人間と新型レプリカントが共存する世界で、旧型のレプリカントを排除するブレードランナーであり自身もレプリカントである主人公の話。
前作をオマージュする様なギミックはやっぱり嬉しいし刺さる。
ホログラムの彼女にハマったり、自身の存在や成り立ちに迫って行く哀しさや酬われなさ、30年後の現在の真実と現実に迫るストーリーはなかなか良かったけれど、一つ一つのシーンがちんたら長い上にムダなカットも多いし中弛みも酷く、クドくてテンポが悪くてとにかく冗長。
半分の時間で収めても充分通用するし、そうしてくれたら良かったのに。
ストーリーは悪くないけれど内容の割にダルいし長過ぎる。
長くて詰め込めば大作という勘違いのスノッブさん向けの典型みたいな感じかな。
35年たっても問題は残ったまま
ブレランの2次創作としてなら
旧作ブレードランナーの設定を使ったスピンアウト的な物語としてなら新たなSF映画として見応えは充分にある。
しかしどうしても年数が空きすぎている分、続編として観ようとすると空気感も世界観も変わりすぎていて思い出補正から逃れられない。
35年も先の物語なのでスチームパンクには存在した有機的カオスな匂いや湿度が感じられず前作の哲学的でアーティスティックな物語から一変、普通のSF作品になった印象。
ただ前作を観ていれば楽しめる要素はたくさんあり、懐かしい部分も多々あった。
VRとレプリカントの融合などSF的演出には見応えはあったが長丁場な割に物語の描かれ方はあまり目新しいものでもなくアニメや漫画などに既に存在するような内容だった。
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