「電気羊の夢をみたアンドロイドとヒューマンの30年後の姿を描いたお話です。更なる未来へと繋がる話を描きたかったのだろうと思うのですが、テーマが昇華不良気味かも。」ブレードランナー 2049 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
電気羊の夢をみたアンドロイドとヒューマンの30年後の姿を描いたお話です。更なる未来へと繋がる話を描きたかったのだろうと思うのですが、テーマが昇華不良気味かも。
アナ・デ・アルマスの過去出演作を辿ってこの作品へ。
「ブレード・ランナー」を鑑賞し直してからの鑑賞です。
前作の終わり方には、かなり好印象を持ちました。
その続編をあえて製作したこの作品。意義は?
人間とレプリカの未来を、どのように描くのか?
期待と一抹の不安。さて。
◇
途中までは前作の世界観を引き継いでいる感じがあったが…
デッカード(ハリソン・フォード)が登場する辺りから
逆にストーリーが迷走し始めた気が…。・_・シマス
以下、簡単にあら筋。あらあら
前作のデッカードのような役目を果たしている「K」。
警察機構に雇われているらしく、その命令を受けて
レプリカによる反逆の目を摘んで行っているようだ。
一度Kが対処した場所に、埋められていた「何か」の跡。
その痕跡を調査するうちに、過去の色々な痕跡が見つかる。
・女性型レプリカ一体分の骨格
・人為的に付いた傷が認められるという事
・その傷が「出産」に因るということ …帝王切開だ
レプリカが妊娠・出産していたという事実。
母体は命が尽きているが、その赤子の行方が分からない。
死亡? それともどこかで生存?
父親は? 誰? 生きているのか?
※ この辺りまでは、話の展開にまだ筋が通っていた
気がするのですが…
◇
この時代、レプリカにも新世代が登場している
宇宙の開発等にレプリカは欠かせない。
レプリカ同士でレプリカを産み出す技術があれば
開発や作業の効率は格段に向上する。
その技術の結晶をめぐる争奪戦?
・新型レプリカ
・旧型レプリカ
・ヒューマン
その赤子は今どこにいるのか「K」もまた探すのだが
キーとなる人物を追いかけた先で出会ったのは…
さらには、その人物を拘束しようとする組織の存在。
※ というか、もうこの辺りでは
誰が何のために何を考えて行動しているのか という
根本的な部分が理解困難に… ・△・; タスケテ
最後は
デッカードが誰かと出会って終わるようなのですが
それでその後どうなるの? という印象 ・◇・; デス
正直なところ、何がどうなった?それでどうした?
との印象が拭えないエンディングでした。 うーん。
あ、アナ・デ・アルマスは綺麗でした。
ヴァーチャルなパートナーとして魅力的です。
それが確認できたのは収穫でした。
※というよりも
アナ・デ・アルマスの演じたヴァーチャル人格を
もっと掘り下げたストーリーを観たかった気もします。
さらなる続編…は、うーん。多分無いか。・△・
◇浮かんだ疑問点
鑑賞中と鑑賞後、色々と疑問点が浮かびました。
・デッカードが隠れて生き延びた理由
・レイチェルだけが、繁殖可能なレプリカだったのか?
・それともそれを試すプロトタイプだったのか?
・レイチェルは4年後には命が尽きたのか?
・レイチェルとの子(?)を隔離した理由
・そもそも、その子を皆が探している理由は何?
・隔離した子を誰が育てたのか?
・子を旗頭に据えて反乱を企てていた組織がある?
→ かなり物騒な雰囲気だったのだが…
・人間との間で誕生した子は、人間?レプリカ?
・レプリカの間で生まれた子どもは?
→ レプリカと扱われる気がしますが…
そして何よりも、あの終わり方にどんな意味があるのか。
自分の娘と30年近くの時を経て逢えたことで、その後に
何かが起きるのか?
うーん。
一体何を描きたかったのかなぁ…。
書きたいテーマが空中分解したような印象 ・△・; デス
レプリカの寿命に制限が無くなり、
レプリカ同士で子を作れるのであれば
もくかしたら、その後に待っているのは
人間の方が不要となる未来だったり…。
あぁ それは嫌です。はい。
◇最後に
「妊娠・出産可能なアンドロイド」
それを扱った作品を思い出しています。
「アミテージ・ザ・サード」(1995年 AIC製作のOVA)。
女性警察官アミテージが主人公の、全4話のお話。
翌年にアメリカで再編集版に新作カットを加えた劇場板が
作成されているようで、日本よりもアチラの方で人気が
あったような気もします。
このOVA作品、ブレードランナーの後に作られていて
この作品の後にブレードランナー2049が作られている訳ですが
世界観の構築等に、相互に影響を与える事があったのかもなぁ…
などと勝手に想像しています。・-・; ドウデショウ
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
