「電気羊はどこへ」ブレードランナー 2049 A Lonely DINOSAURさんの映画レビュー(感想・評価)
電気羊はどこへ
劇場で鑑賞した時は、その比類なき映像美に圧倒されました。前作はDVDでファイナルカット版まで鑑賞して、世界観と哲学的なテーマに感銘を受けましたが、本作は果たして。
良かった点としては前述の通りロジャー・ディーキンスによる撮影。揮発性に富んだと言うか、浮遊感のあると言うか、微妙に現実離れしたフューチャー感溢れる映像。これはホントすごかった。
あと、主演のライアン・ゴズリング。感情の起伏のない、どこか退廃的なレプリカントを絶妙に演じていました。前作のブレードランナーは捜査力はともかく戦闘力という点では凄腕感が感じられなかったのに対して、今回は一定の強さは保持しており、ちゃんと伝わりました。この辺も好感度高かった。
個人的にイマイチだった点。まずテンポ。やはり冗長感は否めなかった。各シーンあと2〜3秒くらい早く切り上げられたんじゃないだろうか。。
次にジャレッド・レトのキャラ。盲目の必要あるか?とか、性格設定もよく分からなかったので明確な倒すべき敵感が無くて残念。端的に言って浮いてる。
そしてストーリー。これが1番大きかった。前作が自己の探究というテーマだった(少なくとも僕はそう思いました。)のに対し、今回はミステリー要素が強かったので複数の鑑賞に耐えうるか。そもそも謎解きの過程も一部強引だった気もしないでもない。特にデッカードとの邂逅の件とか。。。デッカードとレイチェルの間に子供ができてたとか、それを守るべく秘密組織ができてたとか、前作の世界感から外れすぎてた印象も受けました。