「人間はどこまで進化するのでしょう。」ブレードランナー 2049 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
人間はどこまで進化するのでしょう。
人間とレプリカントが共存する近未来のお話。
見た目も作りも大差ないレプリカントの存在は、人類にとって脅威となりつつあります。
人間はあくまで人間であり、レプリカントはあくまでレプリカントであれ。
互いに違いがないということは、もちろん子孫を残すための妊娠という機能も備わっているということ。
レプリントの発展とともに、子孫を残したいと望む考えが生まれることは至極真っ当なように思います。
しかしながら、人間にとってレプリントの進化は許さざるべきことなのです。
「解放」という言葉を使い、邪魔な存在となりつつあるレプリントを破壊してゆく姿には、人間の身勝手さしか感じませんでした。
人造人間の進化の果てにあるのは、人間と同等の存在、またはそれ以上の価値ある存在であることなのでしょうか?
もし、そうであるならば、レプリントが特別な存在になりたいと望むことは、至極当然だと思います。
ブレイドランナーのKも、自分はレプリントから生まれた特別な存在なのかもしれないと期待していました。
人間が誰よりも優れた存在でありたいと望むように、レプリントも「自分だけは違うのだ」と思う気持ちは同じです。
だとしたら、レプリントの革命的行動は、必然だったと言えるのかもしれません。
彼らも1人の存在。
何者にも変えがたい、人間と同じ1つの命。
だからこそ、レプリカントが簡単に殺されてゆく姿に涙するのだと思います。
平等であることは、簡単なようでとても難しいです…。
前作品を観ていないまま、鑑賞してしまいましたが、これはこれでとても面白かったです。
ブレイドランナー2019の30年後を描いた世界らしいです。
これから前作を観たら、もっとブレイドランナーの世界を深く知れることができそうな予感がします。
2時間45分という長丁場でしたが、深い深い時間を堪能できました。