劇場公開日 2017年10月27日

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「前作を見事に補完してくれた作品。」ブレードランナー 2049 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前作を見事に補完してくれた作品。

2017年10月29日
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興奮

知的

寝られる

前作ファンでは無いですが、雰囲気は好きと条件でレビュー致します。前作を直前まで観てなかった友人の評価は「普通」でした。

周りの低評価理由はやはり上映時間が長く(理由はありました)、前作と同じ様な眠気を誘う効果音&単色を基調とした映像がキツかったと思われます。
また、情報量も多く前作の情報も欲しい所です。
かなり体力が削られます。
私も体調万全で臨みながら、今日は映画一本でいいやと思った程ですから。

逆の高評価理由は前作を補完した内容と、新しい軸を魅せてくれたのが理由では無いでしょうか?

・高評価理由を3つ程。
82年の前作は「人間vsレプリカント」ですが、今回はレプリカントが「旧」と「新」に分かれ、人間を含む三つ巴となっている物語です。
更に生命誕生の摂理に反する「カオス理論」的要素(これは別映画「ジュラシックパーク ロストワールド」でありましたが、生命ルール的に産まれる筈がないのに産まれる=摂理に反する)が加わり、今迄に無かった物語となっています。
これが「レプリカント」だからあり得る話であって「クローン」では実現しない話です。

次に、前作は近未来描写とレプリカントと言う人間に近いモノを創作し驚かせてくれましたが、今回は「joi」という仮想生命体が驚かせてくれる事になります。
VRが現実世界で流行してますが、VRが更に進化し近未来この様な仮想生命体が産まれるんだろうな的な存在です。
ここまでくると(「劇場アニメ版攻殻機動隊 ゴーストインザシェル」的に言わせて頂くとすれば)「入る身体は違うけれど、魂はそれぞれで自我を持ち、共存出来る世界がくるのでは?」と人間性を哲学的に前作同様今回+αとして考えさせられました。

最後の理由は物語の展開です。前作ラストで「結局どうなったのよ?」的内容が今回の二転三転する展開により、今回で補完されています。
私的に納得のゆく補完(終わり)方法でした。
(逆に言わせてもらえば、前作ありきの作品だと思います。)

長々と書かせて頂きましたが、映画ファンとすれば「続編作ってくれてありがとう」と言わせて下さい。

最後にK扮するゴズリングはララランドよりこちらの役柄の方が好き。レイチェルは似てなくて残念。

巫女雷男