「流行り物。既視感。」ブレードランナー 2049 dekamoさんの映画レビュー(感想・評価)
流行り物。既視感。
「メッセージ」の監督ドゥニベルヌーブが。「ララ・ランド」のライアン・ゴズリングが。「スターウォーズ フォースの覚醒」ハンソロと似た感じでハリソンフォードが。「ゴーストインザシェル」で最近観たTOKYOチックな街並み…。
本作を構成する要素は既視感が強い。なんだか。印象が弱くなる。豪華ではあるのは言うまでもなく、価値もある。160分飽きずに観たし、手のかかった映像だと感じた。なのに、突き抜けて興奮できないのは虚しかった。
部屋の中のホログラムのAIは少し面白かった。実写の人と重ねるのは大変そうだなと。ベッドシーン最後までやってほしかった。しかし、これも「her 世界でひとつの彼女」のOSのエージェントとの心の物語を思わせたり、それこそスピルバーグの「A.I.」とか「エクス・マキナ」とかの人工知能ものを想起させた。
「ゴーストインザシェル」や人工知能ものに関して、前作「ブレードランナー」はじめ当時のSF観が30年経て育った結果、逆転的に「ブレードランナー2049」ってあれに似てる…って思わせたのだと思う。本作の鑑賞にあたって、さらなる未来、想像できない技術を描いてほしいと期待したが、描かれたのは、人工知能の心や人造人間の生殖機能だった。メカ技術的には、車は当然飛んでたし、義眼も飛んでた。ホログラムは光源を意識させない。映画の好みかもしれないし、この映画のエネルギーを受け止めきれてないのかもしれない。
レプリカントの子が何処にいるのか、っていう伏線の流れは「メッセージ」と構成が似てる。
ずっと雨と雪、霧だった。
本編劇場鑑賞後、このために作られた短編3本を鑑賞。世界観を深める内容で鑑賞前でも後でも観るべきだと思う。このアプローチは新しいなと思う。
攻殻機動隊の街が全作ブレードランナーのオマージュだから、ゴーストインザシェル(私は未見)で見た街並は当然だね
雨が降ってばかりなのもあの世界を理解してたらわかるよ