「続編のわりに…」ブレードランナー 2049 masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
続編のわりに…
実はこの監督の前作メッセージが、自分にはさっぱりだったため、ほとんど期待ゼロで、でもブレードランナーという歴史的な名作のノスタルジーに浸りたくて映画館へ足を運んだ。
酒を飲み、匂いを嗅ぐ一連の人間臭い仕草に、ほんのりと嘘くささを漂わせるゴズリングの演技が秀逸な冒頭から、どんどん引き込まれてあっという間に2時間40分強が過ぎていく。
終盤、ある事実を知って落胆するゴズリング演ずる捜査官に、掛けられる慰めの言葉がいい。
『自分だと思ってたのね。そうなのね。みんなそう。自分がその一人だと思いたいのよ。』
前作がアイデンティティの模索であったとすれば、この続編はアイデンティティの確立だ。その明快さにブレードランナーらしからぬものを感じはするが、幾多の続編よりもはるかに味わい深かった。
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