オクジャ okjaのレビュー・感想・評価
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愛の線引き
個人評価:3.5
後半までは本題に対してアプローチが少なく、よくある退屈なストーリーだが、後半にギュと駆け足でテーマを伝えてくるので、1時間映画くらいでよいかもしれない。
家畜と食の考え方をテーマに、動物愛護と家畜の線引きを上手く描いている。動物愛護の団体はその線引きを一切せず、菜食主義を貫き、動物全てを愛するが、少女はしっかりと線引きしている。家では鶏を飼い、鶏肉が入ったスープが好物だという。またオクジャの屠畜場では、せめてオクジャを連れ戻せればという気持ちは、その愛を向ける線引きをしっかりとしている。
最後のおじいちゃんと食卓を囲み、家畜の鶏の鳴き声が聞こえる中、食事をするラストカットは、まさにテーマを詰め込んだポン・ジュノ節である。
ただ大好きな怪優ジェイク・ギレンホールがいい役でなかったのは残念。
家畜に名前をつけるな
「パラサイト」の流れでNetflix視聴。
第一幕、なんならファーストシーンからいろいろセッティングがうまく行ってないのでは…と思った懸念はラストに至り間違ってなかったとわかる。
いろいろ気になる点があり、イマイチ乗れないまま終幕。
そもそも大企業に見込まれた「優秀な」農家のはずでは…?
職業倫理として、名前つけてる時点でおかしくない?
他の豚もいない農家に貴重なサンプルを預けるとか、どういう基準で選んだの?
たとえば主人公の両親が健在の時はもっと大がかりな畜産をやっていて、指名されたものの不幸があって規模縮小となり、親をなくした主人公と友人のように育てられた、とか全力でフォローできなくはないけど、それだと結局内輪の問題になっちゃう。
なによりオクジャが可愛くない。見た目が豚というよりカバだし。リアルな質感をだそうとしてるのはわかるけど、あんまり豚感がない。
こんなにかわいい豚をおいしくいただいちゃう残酷、てのがこの話のキモでは?
あと、主人公が「親友」のレイプ&肉サンプル摂りのトラウマに直面させられなかったのは、欧米流のコンプラが立ちはだかった結果?
序盤のトトロ的な雰囲気と中盤からのET的チェイス、悪趣味な資本家たちの戯画化、食品産業と消費の矛盾、欧米とアジアの落差など、各要素がバラバラ、ガタガタしたまま進んでいって、まとまらずに終わる。
ネタはいいのにもったいない。とくに翻訳の件とか、冴えてたと思う。
結局のところ主人公ミジャはどう成長したんだろうか。
自分にとっては無二の親友でも、他者にとってはただの「商品」に過ぎない現実を受け入れた=大人の階段登った、ってことなのかなあ…
漫画「シュナの旅」で主人公がヒロインを金で買わずに奴隷商人から救い出すというくだりがあったけど、それの真逆を行ったみたいな。
宮崎駿が絶対に選ばないだろうオチだし、そもそもオクジャをずっと愛らしく描いたろうな。違うからダメってことじゃないけど、中途半端なオマージュ入ってるだけに、どうしてもここは? ここは? と比べてしまう。
倫理的に正しいかどうかは別として、少なくとも主人公の目にはかわいい、大切な相棒なのに、伝わってこないのが残念。
所詮、すべては幕切れのやるせなさにたどり着くための道具立てに過ぎないのか。
家畜につけた名前がタイトルで、その子だけは救い出せたけど、名もなき他の仲間たちは家畜として殺されていく、たとえ主人公でもそういう世界の構造を変える力はない、なす術なく見送る他はない無力感、そして現実の食肉産業へとつながっていく…という徹底した豚目線。
ただ、ここに至っても私の脳内には疑問が浮かんでいた。
①オクジャは世界一のエリート豚なのに、見分けがつかないほど他の豚も立派な体格でいいのだろうか
②そんな豚が無数に集められているなら、王蟲のように雪崩をうって走り出せば、あんな電気柵なぎ倒せるのでは?
そういう細かいところを押さえてないから、ご都合に感じてしまう。
そもそも、混乱は初手でオクジャが世界一の豚に選ばれた理由が不明瞭なことから始まっていた。
そりゃいい環境で伸び伸び育ったんでしょうけど、なにをもって「世界一素晴らしい」のか明確に定義されていない。
大きさなのか? 味なのか?
(そもそもスーパー豚のメリットってなに? 身体が大きくて歩留まりがいいってこと? 普通の豚は生後半年で出荷されるのに?)
これって結構大きなつまづきなんでは。
たとえばいるはずのない宇宙人なら、即座に追いかけっこが始まってもOKだけど、そもそも独自設定の「スーパー豚」の、中でも別格でスペシャルな一頭とか言われたら、いろいろ説明がいるよね、という。
なのでもしや残りの25頭があとから合流する流れが来るのかと思っていた。八犬伝か。
ささやかな希望を託すような幕切れはまあいいとして、回収されなかったレイプの件はもしや妊娠の可能性? と最後まで待っていたため、なんだかモヤモヤしたまま終わってしまった。
単に食の矛盾を訴えるだけなら、淡々としたドキュメンタリーで充分じゃないかな。
少なくともわざわざ予算をかけて作為を加えるからには、もうワンステップなにかが欲しかった。
まだスノーピアサーの方が楽しめたなあ。
エコテロリストたちがあの程度の行動でドヤってるのもちょっと。それこそ現実の活動家みたく最初から電気柵を切ったりしとけばよかったのに。
全力で小者を演じるティルダ様も素敵だけど、ぶっちゃけあの姉妹の葛藤とか別にいらなくね? っていう。やるにしてもあそこまでボリュームがあるとバランスが悪い。
キャストがノリノリなのはいいんだけど、手綱を引くのは監督の仕事では。
もったいつけて登場したラスボスの割にあの対決、イージー過ぎません?
ポンジュノはもっとそつなくやると思っていたので意外だった。
ジュブナイル的なネタに向いてないのかな。
金の豚
生ける物を食さねば長らえぬ。生死を敬遠できる世の中にあってそれを直視する。生死も身近にあるミジャの暮らしと食肉解体場のコントラストが効いている。
教条を行動原理に頼み、仲間を総括するポールダノ、風評を気にする妹、ビジネスのロジックに頼る姉、生きる糧を志向する祖父、ミジャの鶏と豚との違いなど個々の矛盾を現しながら、その相剋の行方を追う。この辺の多様な盛り込み方はさすがの出来映え。
特筆すべきはジェイクギレンホールのぶっ飛んだ演技。
動物愛護テロに肩入れする気はないが、化粧品における兎の扱いや実験動物などと食肉や繁殖の類は問われ方も異なる訳で、この内容で彼らを論じることはできない。また、遺伝子組換えのリスクについてはあまり論じられておらず、最後に付け足すならば、そっちではないのかと思った。
深読みしてみました。
遺伝子組み換えによる、スーパーピグレットを排出するミランダ社。
遺伝子組み換えの事実は伏せ、26匹を26ヶ所で育て、成長を競うコンペティションを開催。
そのうちの一匹、オクジャを育てた韓国の山奥に住む少女ミジャとお爺さん。
優秀なスーパーピッグと認定されたオクジャは、食用として潰される運命となったが…。
キャストが良かったので観てみたけれど、結局はエゴのぶつかり合いって感じかな。
動物達の開放の為に活動しているポール・ダノと、リリー・コリンズ。良い感じだし、少女との約束は良いけど 本当に開放したいなら(現実的に全てのスーパーピッグの開放は無理でも)もう少し果敢に挑んで欲しかったかな。
オクジャだけ特別扱いはどうかなと。
それに いくらスーパーピッグの餌や排泄物が少ないと言っても、育て上げるのに10年とか長過ぎ。デカイだけに場所も必要だし、そんな豚止めなさいと言いたい(笑)。
今は、気候変動についてや、畜産が地球環境を壊している原因など、色々と言われていますが、結局は豚さんは遺伝子組み換えではなく、自然に囲まれてストレスなく育てるのが一番美味しいけど、感情を持ってる生き物だからそれらを食べることについて、もう一度考えてみてくれってことだったのかなぁ?って推察しました。
今は、気候変動や それに伴う肉食の停止、パーム油の問題に、アマゾン火災。問題は山積みだけど、気候変動についてちゃんと考えて欲しいなーと改めて思った。
私は殆ど肉は食べないし、卵は平飼いのみ、牛乳も飲まないことを選んでかなり経ちますけど、別にヴィーガンになろうとも今は思わない。でも、他の人達にも環境のことをもう少し考えて欲しいと思いました…。
食卓の起源
遺伝子組み換え、養殖、動物虐待、人間の行いに起因する動物の暴走など、さまざまな因子が映画の中に散りばめられて構成されていた。
肉を売るビジネスの視点と家族としてともに生きるものの視点のズレが秀逸に描き出された作品だが、あくまで娯楽作品としても楽しめる絶妙なバランスを備えていた。
R15なので血が流れるシーンはなんとなく想像できたが、それ以前に描かれるオクジャとミジャの関係性が、最後のチャプターをより引き立てていたのはいうまでもない。
冒頭の、スーパーピッグの宣伝ショーの華々しさから、ミジャが住む田舎の山奥へシーンが移行した時の、都会から田舎へと転調するときの絵的な落差が激しい。
育てやすく、肉質も美味いように遺伝子組み換えで生み出されたスーパーピッグを、とても大きく、健康に育てたミジャにメディアが、"どうやって育てたのか?"と聞き、ミジャは放し飼いだと答えた。山奥ではのびのびと走り回るオクジャも、ソウルで駆けまわれば暴走と騒がれる。
こういった対照的な描写からは放し飼いこそが動物のため、という主張にも見て取れた。しかし、そこで甘くないのがポン・ジュノ監督なのだろう。オクジャを金で買ってもスーパーピッグの食肉への加工は止まらない。
気持ちよくも、悪くもなく、食卓に並ぶお肉の起源を考える晩ご飯を導いた映画だった。
出だしの期待感とは違った
鯨より賢そうだけどアメリカ人食べるの?
オクジャたち、かなり知能が高そうで反捕鯨の人たちの理論だと食べちゃダメな気がした。そもそもあの大きさになるのに10年かかると食糧難の解決にはならないのでは。豚の方が効率いいよね。
オープニングのプレゼンがディズニーランドっぽくて皮肉が効いてていい。そこでかかるのがアイズレーブラザーズ!随所に織り込まれる笑いも好き。田舎の風景がすごくよくて、太古は日本と繋がってたんだなあと感じた。
鶏肉食べてたし、オクジャを救いたいというのは偽善的なのは織り込み済みなんだと思う。結局は資本主義の理論に回収されてしまうわけだし、全体的に皮肉なのでは。
運転手が保険なしだったり、屠場はメキシコ人ばかりだったり、小ネタもピリッと。
ポンジュノは相変わらず庶民の描写がいいなあ。
なぜかナースが日本語で「うるさいわね!」っていうんだけど、クレジットだと中国系の人っぽいしあのセリフわざわざ言わせたのかな。
エゴのぶつかり合い
ネットだけでは勿体無い
『河童のクゥと夏休み』×『ソイレント・グリーン』
ポン・ジュノ最新作をNetflixでようやく鑑賞。まず何よりオクジャが可愛い!ブタとカバを融合したようなビジュアルの実在感が素晴らしい。だからこそ『河童のクゥと夏休み』×『ソイレント・グリーン』な展開がキツくもある。少女の通過儀礼を描いた成長物語としても感動的
動物愛護団体が何でもかんでも先回り出来過ぎやけどあれはフランク(『ブレイキング・バッド』のガス!)が手引きしとったという理解でいいんだろうか?結末も綺麗事でお茶を濁すんじゃなくて主人公のミジャが資本主義と一応の折り合いをつけるというのも上手い
ミジャとオクジャが彼女達だけの言葉で話すのが可愛いんよな
ポン・ジュノは前作の『スノーピアサー』も『ソイレント・グリーン』感があったな
とはいえポン・ジュノ最高傑作は未だに『殺人の追憶』だと思う。最高に狂ってる(褒めてます)のは『母なる証明』。この邦題は死ぬほど素晴らしいな
ネトフリ落ちも納得の企画!!
一応「遺伝子組み換え豚」がテーマになっていますが、食肉と愛玩動物を混同している部分もあって時事ものとしては弱いと思います。内容はごく普通でテンポが悪く、長くて飽きてきます。女CEOが面倒くさいです。地下道爆走シーンは良かったです。オクジャのビジュアルと、あまり出ませんがノリノリのジェイクが良かったです。
Taste F**king Good
人は肉を食べるが、動物を食べると言い換えたばあい、よしあしで喧々と討議になる。
たとえば、わたしはイルカ肉なんて食べたことも見たこともないが、所によってはそれが食肉になる。となると抵抗を感じる。別にイルカ食べなくてもいいだろ、と思えてしまう。
同じ理由で捕鯨が世界から目の敵にされている。常に日本が槍玉なのだが、私は30年来口にしていない。昔は給食にあったが、きょうび、くじらなんて、いったい誰がどこで食べているのだろう?
人目を引く3BはBeautyとBaby、もうひとつがBeast。私も猫やら小動物の動画をすぐにクリックするたちである。そんな愛らしいものが食用になるとは考えられない。
しかしニンゲン、肉を食べる。動物側にしてみれば、食用とするか、しないか、人側の使い分けに意味はない。牛豚に生まれたら来世で犬猫を願うほかはない
私がもし遺伝子操者だったら、食肉用に交配する新獣に、憎々しい外見を与えるだろう。ミランドCEOは味が最重要とおっしゃるが、人の食い物を創出するなら、何よりそれが重要だ。愛らしい外見には情が芽生えてしまう。この映画のオクジャのように。
ただし、映画は不毛な論争とは無縁、肉食でもヴィーガンでも楽しめる。
Netflixゆえにカンヌを落としたが、相対したら観客賞はまず間違いなかった。
目を見はるほど完成度が高い。怪獣に人間ドラマを絡ませ、同監督のグエムルを彷彿とさせる。
アプローチ、落としどころはハリウッド的。エンターテインメントを標榜しながら要所要所でギラリと(キラリと、ではなく)光ってエンタの枠をつきぬける。うまく言えないが、ポンジュノ監督、やはり映画を知っています。
最大の魅力は少女ミジャ。
あどけないのに熱いハートと野性がある。
本邦だったら、虐待ではないのかと物言いがつきそうな、苛烈な役作り。
年端もいかない女の子が、走る転ぶ叫ぶ、どこまでも食らいつき、流血もいとわずカラダごとぶつかってくる。
そのしたたかな強さを通じて、誰にも頼ることのできない韓国社会が浮かび上がってくる。韓国映画に一様に見られる非情さが、この映画でもダイナミックな躍動を生みだしているように感じられた。
ギレンホールにTスウィントンにPダノ、ハリウッドの一線俳優が並み居るのだが、子役ミジャ(アンソヒョン)が食ってしまう。その生命を吹き込んだジュノ監督の演出力に圧倒されました。
うん、面白い
ハリウッド俳優三人を起用しているから主役のオクジャと少女よりも三人の出番が多いのは否めない。
特にJ・ギレンホールは必要も無いような役を開き直って楽しんでる感も!?
前半にオクジャと少女の生活を、中盤にお決まりな暴れマクる展開で楽しめるし音楽がトボけた雰囲気で感傷的になりそうな場面もコミカルに!?
少女の素朴なキャラに愛着を感じ日本の子役には出せない?演技が好印象。
前半のオクジャと少女の戯れ方が「となりのトトロ」でのメイとトトロみたいだった。
無理矢理、後尾させら妊娠したら何匹産まれてくるんだろう!?
ミニシアター系なんかで劇場公開したら話題作としてヒットしたのでは?
食われる為に創られた命に愛情は無用?
人間ってのは実に醜く勝手な生き物です。「安くて美味いものをよこせ!」「もっと食わせろ!」
そういった大衆の欲望の為に、世界中で毎日大量の動物が殺され、加工されます。
ブタ、牛、鳥、犬も殺され人間に食べられます。
ほとんどの一般大衆は食べる事がメインでその裏の真実は見ようとはしません。
オクジャでの食肉加工工場の姿は真実です。
動物の殺され方を見たい方は映画「いのちの食べかた」を観るといいでしょう。
「美味いから殺して食っていいんだ」となれば、別に人間が美味けりゃ人間も食っていいでしょう。
いや、食べるものがなければ人間は共食いをします。
ポン・ジュノは映画「スノーピアサー」でもそれを表現してました。
人間は偉い存在でも、尊い存在でもないのです。動物の一種です。
神のような存在から見れば、人間なんて意味のないゴミ以下のような存在かもしれません。
「人間は大切、人間は尊い」とか言ってるのは人間が自分達で勝手に言ってるだけです。
ですが私も美味しいものが好きです。
できれば食べたいです。
しかし動物は大好きですし、感謝しています。本当に感謝しています。
今現代社会に無いのは、食べられる為だけに生まれた動物達への感謝の気持ちだと思います。
命をいただくにしても、恐怖させず、痛みを与えないようにして欲しい。
そういう思いはまず、ブタや牛が「毎日どうやって殺されてるんだろう?」と興味を持ち、
実際に見る事からだと改めて感じました。
家畜と愛玩動物は違いますよ
監督のポンジュノは一作ごと挑戦的に映画に臨む人で、今作もやはりそう。様々な要素を詰め込みながら独自のカラーも変わらずある。主人公の目力の強さよ!
しかしながら、テーマにはあまり共感できなかったな、安くて美味しい肉は俺も食いたいから。
エンタメとしては楽しめました。役者も地味に豪華で 笑
涙が止まらない
最後のワンシーン、辛すぎる
この世界に必要な映画ってインスタとかでめちゃくちゃ言われてるけど、ほんとにその通りだと思う
当たり前のように食べて生きてきたけど、この映画見たあと明日ごはん食べれるかな、、、ってなる
もう当分見たくないけどすごくいい映画だったなぁ
雨の日は会えない晴れた日は君を想うをみたあとこれみたらジェイクギレンホールすげぇ…!!演技うますぎ怖…!!!ってなる(笑)
主演の女の子も演技はもちろん表情とかすごい良かった!とくに最後のワンシーン!
ポンジュノ作品他にも気になるのいっぱいあるから見てみよう👍🏻
食への感謝
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