「オクジャと、それ以外の豚」オクジャ okja トマトマ子さんの映画レビュー(感想・評価)
オクジャと、それ以外の豚
クリックして本文を読む
3年前、ベジタリアンになったきっかけの映画。
韓国の山奥で静かに展開されるオクジャたちの暮らしは日本人の心象風景である里山の風景にも重なり、どこか懐かしい気持ちになる。
対して、食肉産業コングロマリット企業の社長であるティルダスウィントンが魅せるザ資本主義!金儲け!ってかんじの演技はキレッキレに振り切れていて、
その対比の描かれ方、風刺が小気味良く、エッジの効きまくったブラックコメディとして最高に楽しめた。
諸々あって最後にはもちろんオクジャは助けられてめでたしめでたし。ハッピーエンドの満足感で観終わろうとした矢先の場面が最大の見どころだと個人的に思う。
少女とオクジャが振り返ると、名もなき豚たちが流れ作業で殺され続けていく。オクジャの物語はハッピーエンドだが、食肉産業という悪夢は終わっていないことを見せつけられる。この場面を観て肉食はやめようと思った。名前のある豚と、名前のない豚。慈しまれる生命と食べられる生命。どこに線引きがあるのかわからなくなってしまった。
コメントする