「完璧な映画」ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 uttiee56さんの映画レビュー(感想・評価)
完璧な映画
日本が大陸に夢を見ていた時代を背景に、巨大なスケールで描くファミリーストーリー。
滝田洋二郎監督が『おくりびと』で見せた、役者が体を張って職人の技術を再現してみせる作風を、今作では10倍にパワーアップした感じで、料理の場面にはただただ圧倒された。本作の製作には金も手間もかかったことだろう。
『おくりびと』では、食べることとは生きることである、という演出が印象的に使われていたが、本作では料理そのものが題材ということもあり、こちらも更にパワーアップしていた。
シナリオの見事さにも圧倒された。出来過ぎな展開ながら、それを不自然に思わせない説得力がある。
タイトルの陳腐さと宣伝の煽りの酷さから敬遠していたが、評判が高いので見てみたら、映画とはこうあるべきという見本のような完璧な映画であった。巨匠を信じて公開初日に見るべきであった。
ただし、あまりにも『おくりびと』に似ていること、もう一度見たいかというとそうでもないので、少し減点。
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